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【海底油田流出】新たな流出地点を確認=共同運営の外資系企業に批判集中

2011年08月13日

2011年8月12日、中国国家海洋局は、6月に流出事故が確認された渤海・蓬莱油田で新たな原油流出が確認されたことを明かし、外資運営企業である米コノコフィリップスを強く批判した。

蓬莱油田は中国東北部・渤海に位置する海底油田。中国海上石油と米コノコフィリップスが共同で開発していた。6月4日にBプラットフォーム付近の海底から漏出。6月17日にボーリング作業中のCプラットフォームで漏出する事故があった。当初は事故について一切報道されることはなかったが、ネット掲示板などでのタレコミ、暴露をきっかけに噂が広がり、事故発生からほぼ1カ月が過ぎた7月1日にメディアが報道。5日に中国国家海洋局が記者会見している。

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*画像は新安伝媒網の報道。蓬莱Bプラットフォーム流出地点を示す資料図。元の流出地点から10.8メートルの地点から新たに海底油泥が漏出している。



7月5日の記者会見では原油流出は抑止され、流出した油も基本的に回収されたと強調された。しかし、中国メディアが改修作業が続けられていることをすっぱ抜いたほか、コノコフィリップス発表の原油流出量も当初の1000バレルから後に1500バレルに訂正されるなど、疑念を招く事態が続いていた。また8月11日に予定されていた記者会見も直前になって延期、取り消しと混乱。中国メディアの不信感を招いていた。

12日、国家海洋局は蓬莱油田Bプラットフォームで新たな原油流出ポイントが発見されたこと、流出した海底油泥の総量が合計2500バレルに達したことを明かし、コノコフィリップスを強く批判している。

新華社、そしてそれを引用したNHKを「新たに2個所の流出点」と報じているが、報道内容は「もともとの流出点から10.8メートル離れた地点で新たに流出」というもの。元の流出点と合わせて2つというのが本当のところらしい。Cプラットフォームの流出はボーリング作業途中の事故と言うことで封鎖も比較的容易だったようだが、Bプラットフォームの事故は「原油回収のため、圧力をかけたら思わぬところから噴き出した」というもの。流出点の確認や封鎖の難易度は高い。

蓬莱油田の権利は51%が中国海上石油の持分、49%がコノコフィリップスで、本来ならば2%分中国海上石油のほうが多く怒られてしかるべきだが、メディア及び中国国家海洋局の矢面に立たされているのは外資だけという印象だ。

12日付財経網によると、中国海上石油も一応謝罪したということだが、その文面は「当社は事故を起こした加害者ではありませんが、流出事故の発生を避けられなかったことを深くおわび申し上げます」という、すべての責任を外資に放り投げるすばらしい内容となっている。「割を食うのはいつも外資」というお決まりのパターンが繰り返されている印象だ。

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■日本語メディア報道
【動画】中国 原油流出新たに2か所で(NHK、2011年8月13日)
中国海底油田の原油流出、汚染面積が東京都の2.5倍に(日経新聞、2011年8月12日)
中国渤海湾:米中共同開発油田で新たな原油流出、汚染拡大―新華社(ブルームバーグ、2011年8月12日)


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