ロシア人が知らない「ロシアン・ティー」日本のロシア料理レストランに行って「ロシアン・ティー」の存在を初めて知ったタチアナ。「何だろう?」と非常に興味を持ちさっそく注文。しかし、飲んでみて首をかしげた。
「この紅茶のどこがロシアン・ティーなの?まったく普通じゃない???」と。
当時タチアナは、ジャム入り紅茶を万国共通の飲み物だと思っていたのです。
ロシアンティー(トロイカ) / Yuma Sugawara*当記事はブログ「ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。
後でわかったんですけど、ロシア人にとって「普通」だからこそジャム入り紅茶は「ロシアン・ティー」という名前をつけられたのです。日本以外でそういう呼び方をする国があるかどうかわかりませんけれども、ロシア人たちが「ロシアン・ティー」という呼び方をしないことだけは確かです。しかし、最近ロシア通の日本人からよくこういう話も聞きます。
「ロシアン・ティーは、ジャムを紅茶に入れて飲むと日本人は思ってるみたいなんだけど、違うんだって。ジャムを別のお皿に入れて、なめながら飲むんだって」と。
性格がもともとおおざっぱなタチアナにしてみれば、ジャムを紅茶に入れて飲もうが、舐めながら飲もうが、同じです。周りのロシア人を見ても、どちらの飲み方も普通にあります。
ロシア人から見れば、紅茶にジャムを入れて飲むのは「フレーバーティー」を飲むのと同じ感覚です。ついこの前ロシア人同僚も言っていました。
「市販のフレーバーティーだと人工的な添加物で風味を出している場合が多いから、普通の紅茶に自家製のジャムを入れた方がおいしくて安全。ジャムを砂糖代わりに紅茶に入れることもある」
タチアナもまったく同じ感覚です。そういえば、この前仕事でロシアのある工場に行ったとき、休憩室の流しのところで興味深い貼り紙を発見しました。
Не сливайте в раковину остатки чая и варенья!
(茶葉とジャムの残りを流さないでください)どうもその会社はジャムを紅茶に入れて飲む人が多いようです。日本の会社で絶対見られない警告なので、とてもロシアらしいと思いました。
*当記事はブログ「ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。