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2011年08月16日
ニンツォ僧院の僧ツェワン・ノルブ(29)はチベットの自由とダライ・ラマ法王の帰還等を要求するチラシを撒きながらスローガンを叫び、10分ほど行進を行った後、チュメ橋の上でガソリンを飲み、身体にガソリンを吹きかけ、火を付けた。彼は燃え上がりながらも、「チベットに自由を!ダライ・ラマ法王に長寿を!法王の帰還を!」と叫び声を上げ続けたという。
彼はその場で死亡したと伝えられている。その後、遺体は僧院に運び込まれ、法要が行われたが、当局は僧院に大勢の武装警官を送り込み、僧院を包囲し、彼の遺体を引き渡すよう要求した。僧院側はこれに応じず、緊張が高まっているとのこと。現地からの情報は数時間後には完全に寸断され、現在は電話もネットも通じなくなっているという。
先の7月6日、ダライ・ラマ法王誕生日にタウではニンツォ僧院の僧侶を中心に法王誕生日を祝う式典を行おうとしたが、これを当局は妨害した。その後、当僧院の電気や水道が当局により止められた。このような状況がこの事件の背景にあると思われている。
写真は昨日、ダラムサラで行われた僧ツェワン・ノルブの追悼集会より。
関連記事:共同通信、BBC、Tibet Times チベット語版
続報:「チベット人1万人が僧院に殺到、警官隊と衝突=ノルブ僧侶焼身自殺―チベットNOW」(KINBRICKS NOW、2011年8月17日)
*当記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の許可を得て転載したものです。