• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

「コミケで偽札使用が発覚!中国から学ぶ対策法」「中国で同人音楽が流行らなかった理由」―中国オタ事情

2011年08月24日

■中国オタク的同人音楽事情や同人イベントの偽札対策など■

今年のコミケもイロイロなことが起こっていたようですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?私はちょっと体力を消耗しすぎてしまったので、今回は中国オタクから聞くことができた話の紹介で軽くやらせていただきます。


■コミケで偽札使用が発覚

コミケ会場の方でも偽札使用や釣銭詐欺への注意を呼びかけていましたが、今回は偽札使用なんてことが起こってしまったらしいですね。詳しくははちま起稿さんの記事などをご参照ください。

【コミケヤバイ】コミックマーケット80で偽札使用事件が発生!(はちま起稿、2011年8月12日)

ちなみに偽札対策に関しては、中国の同人イベントの方が進んでいる(?)そうです。中国の同人誌や同人グッズは単価が50元(約600円)以上になるものも少なくないのですが、現在中国で流通している最高額の紙幣が100元札ということで、イベント会場では高額紙幣が飛び交います。そういったことからも偽札の使用に関しても注意しなければならないのだとか。


Rich Paper / ShironekoEuro


*当記事は8月15日付ブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の許可を得て転載したものです。


■一歩進んだ中国の偽札対策

中国では偽札がわりと珍しくなく、銀行にでも持っていかない限りバレないようなのが出回り普通に一般社会で流通してしまったとか、ATMでお金をおろしたら偽札が入っていたとかいった話に事欠きません。

そしてそういったことに慣れているからか、サークル側の偽札に対する警戒感も強いそうですし、なかには偽札検知器を準備しているサークルもあるそうです。

最近の中国では偽札検知器が日本円にして数千円くらいで手軽に手に入るようになっているそうですし、偽札のチェックに関してはお金を払う側も受け取る側も日頃から慣れているので、別に抵抗が無いみたいですね。

そして実際に中国のある同人イベントでは偽札使用事件が起こっているそうですし、それを受けて運営側が参加サークルに偽札検知器を設備として貸与したケースもあるそうです。(ちなみに、私の聞いた話では運営スタッフが一度は犯人を確保したものの逃亡され、2階にあった会場の窓から飛び降りての逃走をゆるしてしまったなんてことも発生したとかなんとか)

また、私が聞いた同人関係と偽札についての話で一番気の毒だったのは、イベントで少ないながらもどうにか本が売れたと喜んでいた所、受け取ったお金の中にかなりの偽札が混じっていたのに気付いてサークルの子が大泣きしてしまったという話ですね。

ただ、現時点では中国のオタクイベントは外部の非オタクな犯罪目的の人間が入ると非常に目立ちやすい状況なので、そこまで深刻なことにはなっていないそうです。

中国オタクの歴史のほとんどはここ20年程の話ですし、その主要な層はいわゆる「80後」と呼ばれる80年代生まれの世代以降の人間なので、現在の中国オタクの大部分は30歳以下で、しかもその多くは大学生であり、さらにオタクっぽい格好をしています。そういったことから、同人関係などのオタクなイベントに毛色の違う人間が混じった場合はとても目立つのだとか。


■中国で同人音楽が流行らなかった理由


さて、次に中国の同人音楽事情を。中国の同人イベントでは同人音楽のジャンルが、日本に比べて盛り上がらないことおびただしかったのですが、最近中国の同人市場でもようやく同人音楽の作品の盛り上がりが上向きになってくる気配が出ているそうです。

Singer Song Writer Lite 7 Vocaloid2 Pack
インターネット (2011-04-20)
売り上げランキング: 2930

中国で同人音楽がなかなか盛り上がらなかったのには、以下のような理由があったそうです。

まず、中国オタクの一般的な感覚として「デジタルコピーができるものは価値が無い」と見なされるので、本の形で残る同人誌などに比べてCD媒体の同人音楽は売れないといったことがあります。

この辺は同人ゲームについても似たような感じなのですが、売れないので作る人も少なく、なかなか盛り上がらなかったそうです。

また別の理由として、「同人音楽を作れる人間の絶対数が少ない」「中国で同人音楽を作った場合、二次創作やアレンジが評価されにくい」というのがあるそうです。

中国の学生の多くは大学の受験が終わるまでずっと受験勉強漬けとなり、基本的に試験に関係のあること以外はほとんどできないので、中国オタクの多くもオタク趣味に本格的にハマったのは大学に入ってからです。そのため中国の若者は音楽を聴くだけならともかく、音楽を作ったり演奏したりするスキルを持っている人間はかなり特殊な部類に入ります。

またそういったことから音楽へのこだわりがあったり、独自性を尊ぶというか、妙に潔癖な傾向があるそうですし、
それに加えて中国でパクリが溢れすぎているからか、作り手も受け手もオリジナルではない(ように見える)作品に対して警戒や否定の感情が強いというのもあります。

そのため、二次創作的なアレンジ曲を出すのは「実力の無い人間がやること」だと思われ、一段低く見らてれ評価されにくい傾向があるそうです。更にこれはアレンジや二次創作についての話とも関係していますが、中国ではアニメや漫画はともかく同人音楽関係の元となることも多い、「アニメやゲーム系のミュージックに関する共通の記憶が薄い」ということも同人音楽が盛り上がらない理由として無視できません。

特にゲームの方は育った時代や地方の環境ごとにゲーム体験が異なるので、ゲームミュージックに関しての共通の思い入れというのが日本に比べて薄いというか、非常に限定的なのだとか。

こういった背景があるため、中国の同人音楽というのはなかなかに厳しい状況が続いていました。ただ、最近はボーカロイド曲などのコンテンツやアニソンを「歌ってみた」な歌姫の人々の活躍、それを流す動画投稿サイトの影響もあり、昔に比べると盛り上がりが見て取れるようになっているそうです。

気が付いたらグダグダと長い文章になってしまいましたが、とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

*当記事は8月15日付ブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の許可を得て転載したものです。



コメント欄を開く

ページのトップへ