中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年08月25日
中国側の反応だが、中国外交部の馬朝旭報道官が「釣魚島は中国固有の領土」という決まり文句のコメントを発表している以外、目立った動きはない(中国外交部ウェブサイト)。中国メディアの報道も日本メディア報道を紹介するものばかりとなり、24日午後11時現在では強い日本非難など目立った動きは見られない。
■日本語ニュース・ピックアップ
中国船の領海侵入に当惑=権益拡大の実績づくりか-政府(時事ドットコム、2011年8月24日)
「どういう意図で中国の漁業監視船が尖閣諸島周辺に回遊してきているのか推測するのは難しい」。外務省の佐藤悟外務報道官は24日の記者会見で、領海侵入した中国側の意図を聞かれ、戸惑い気味に答えた。
中国の漁業監視船は自国漁船の操業活動の保護を目的とするが、国際社会には、領有権を争う海域に派遣することで中国の海洋権益拡大を既成事実化している、との批判もある。菅直人首相の退陣が目前に迫っているだけに、外務省筋は「日本の政治空白期を狙った権益拡大の実績づくり」と指摘する。
昨年の漁船衝突事件が起きたのは、前回の民主党代表選の1週間前だった。日中外交筋は、民主党次期代表の有力候補に前原誠司前外相が浮上していることを踏まえ、「前原氏は漁船衝突事件で、中国の対応をヒステリックと批判して反発を招いた」と指摘。今回の領海侵入は、前原氏に対する中国のけん制ではないかとの見解を示した。
丹羽大使、中国側に抗議=監視船侵入で再発防止要求(時事通信、2011年8月25日)
丹羽大使は「尖閣諸島は日本固有の領土であり、中国公船が日本側の累次の警告にもかかわらず、領海に入った事態は非常に深刻だ。国際法上認められた無害通航とみなすことはできない」と強く抗議した。
その上で「両国首脳は関係改善を進め、戦略的互恵関係を深化させることで一致しているが、このような行為は両国首脳の合意に反する」と強調した。
尖閣周辺に中国漁業監視船 警告に「中国固有の領土」と応答(産経新聞、2011年8月24日)
海保によると、昨年9月の中国漁船衝突事件発生以降、中国の漁業監視船が尖閣諸島の接続水域内で確認されたのは12回目で領海内に侵入するのは初めて。
尖閣諸島:領海に中国漁業監視船2隻が侵入 意図見極めへ(毎日新聞、2011年8月24日)
昨秋の尖閣沖の漁船衝突事件も民主党代表選の最中に起きており、政府は政権移行期を狙った中国側の意図を慎重に見極める方針だ。 漁業監視船2隻は「釣魚島は中国固有の領土」と主張する電光掲示板を設置。付近には監視対象の中国船はなく、「明らかに任務を逸脱していた」という。