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2011年08月27日
■悪名高き元ボス:張慶黎(漢族 60歳)
彼は2008年、チベット人を強烈に弾圧した張本人であり、ダライ・ラマ法王を「僧衣を着た狼」と表現することを憚らぬ、強硬派として有名な人物であった。共産党の政策に少しでも異を唱える者を、常に「ダライ一味」と総称し、徹底的に弾圧することを喜ぶ者だった。故にチベット人は彼を目の敵にしていた。
その張慶黎がチベットから消えることは、もちろん一般的には歓迎されることであり、次の容貌的には優しい感じにも見受けられる陳全国に、よりオープンな政策を期待するのは自然の成り行きである。
もっとも、「解放記念日」に次期総書記と目される習近平がチベットに来て「分裂主義的活動を断固弾圧する」と明言したように、チベットに対する北京の強硬姿勢がすぐに変化するとは思われない。が、一応少しはましになるのではないかと、期待しながら見守ることにしようではないか。
Tibet Dailyによれば陳全国は就任演説の中で「チベットの発展と安定を強調」したというが、政治的スタンスについては特に何も話さなかったという。
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余談だが、彼の名前は漢族から見ても笑える名前と。「全国に開陳します!」「全国に陳列します!」って感じのようだ。書き易くいことは確か。
陳全国の略歴:25日付けyzdsb.com(中国語)
参照:25日付RFA英語版、26日付けTCHRDリリース
*当記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の許可を得て転載したものです。