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【バスジャック】「人質に負傷者なし」はウソ=警察の銃弾は人質の顔面に命中―江蘇省

2011年09月01日

2011年8月30日に江蘇省南京市で起きたバスジャック事件。警察は「乗客に被害はない」と発表していたが、実は警察狙撃手の撃った弾が人質の顔面に直撃していたことが明らかとなった。
(参照:南京で少女を人質としたバスジャック事件=野次馬記者とマスメディアの連携―江蘇省


■事件の経緯

30日付財経網によると、事件の経緯は以下の通り。

30日正午ごろ、南京警察は寧波警察の通報を受けた。27日に寧波市で発生した殺人事件の容疑者4人が乗ったバスが南京市を通過するという。

午後1時、警察は南京市長江三橋の料金所で問題のバスを発見。ただちに乗り込んで検査したところ、容疑者の一人・楊兵(32歳、重慶市出身)が刃物を抜き、9歳の女の子を人質にとった。また男性乗客の一人にバス後部を見張るよう命じたという。その他の乗客は非難した。

専門家、特別警察が現地に集結。投降するよう説得したところ、3人は自主的にバスを降りたが、女の子を人質にとった楊兵だけは説得を拒んだ。午後3時15分、楊兵は激高し人質を傷つけるそぶりを見せたため、警察は発砲。突入した。人質2人は無事に救出された。

事件当日、マイクロブログでは負傷者がでたとも報じられたが、南京市公安局江寧分局はこの情報を否定している

20110830_nanjing1
*画像は市民記者(?)がiPhoneで撮影した現場写真。連行される犯人。


■警察のウソ

「乗客に負傷者はいない」というのが警察マイクロブログによる説明。ところが実際には負傷者が出ていた。しかも警官隊の射撃による負傷という最悪の形で。

9月1日付新京報によると、午後2時50分ごろ、警官隊は1回目の発砲を行った。弾はバスジャック犯にあたるどころか、人質の李さんの顔面に命中。左ほほから右ほほに貫通した。命中しなかったのか、それとも人質を犯人と取り違えての誤射だったのかは明らかとなっていない。

被害者男性は、現在、集中治療室(ICU)で治療を受けている。不幸中の幸いというべきか、顔の骨が折れ、歯が何本か抜ける重傷を負ったものの、意識ははっきりしており、回復に向かっているという。警察も誤射だったことを認め、治療費を負担すると申し出ている。

1回目の発砲から約25分後、バスジャック犯が再び感情をたかぶらせたため、警官隊は2回目の射撃を実施。今度は犯人の首に命中し、逮捕に成功した。

ウソをついた経緯も含めて南京市警察には説明責任があるはずだが、メディアの取材にだんまりを決め込んでいる。


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