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NTTソルマーレ、中国産マンガを輸入へ=動き出した日中マンガビジネス

2011年09月03日

先日、ちょっと話題となったのが「講談社、中国で少年漫画誌創刊」というニュース。

講談社、中国で少年漫画誌 12年3月にも創刊
日経新聞、2011年9月2日


広西出版伝媒集団と合弁会社を設立する。中国では外資企業が出版事業を手掛けることが制限されているため、合弁会社は編集プロダクションとして登記する。出資比率は講談社側が49%、中国側が51%。

講談社は合弁会社に漫画の制作ノウハウを提供する。具体的には、想定読者に対するマーケティングやストーリー作り、キャラクタービジネスなどのノウハウを提供し対価を得る。中国側は当局の許認可作業や印刷、販売を担う。   新しい雑誌は10~15歳の男子が対象の中国人作家による月刊誌。

コナン、犬夜叉というサンデーの人気マンガと中国人作家の作品をミックスした『龍漫少年サンデー』のような雑誌もあるので、そんなに注目に値するニュースなのかどうかわかりまないが、「マンガ制作ノウハウを提供する」というところが目新しいポイントかもしれない。

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*画像は浙江出版聯合集団旗下の子ども向け漫画雑誌「幽黙大師」。



■少年マンガのいばら道

最も10~15歳の男子をターゲットにした市場というのはいばらの道。マンガの単価も安く(上述の『龍漫少年サンデー』も1冊8元(約96円)の月2回刊)、日本のような単行本回収モデルも確立していない。キャラクタービジネスがヒットすればまだ大もうけの道もあるが、その場合も「お役所対応がメインのお仕事」のパートナー企業に51%を持って行かれてしまう。

とはいえ、講談社の進出で優秀な中国人マンガ編集者が育てば、将来的に面白い動きにつながるかもしれない。


■NTTソルマーレ、中国産マンガを輸入へ

講談社の発表は北京ブックフェアでのものだが、同ブックフェアで発表されたもう一つの日中マンガネタはびっくりするぐらいの勢いでスルーされている。

1日付新浪網によると、オンラインブックストア「地球書店」を展開するNTTソルマーレは、浙江出版聯合集団との提携を発表。中国産マンガを日本、アメリカ、マレーシアなどで配信すると発表した。携帯配信とはいえ、中国のマンガが日本に本格進出するのは画期的な試みだ。

すぐにヒット作が出現することはないかもしれないが、漫画家志望者の多さと安い人件費を考えれば、一定レベルのマンガを量産することは不可能ではないのではないか。中国では出版できないエロ漫画を大量生産して他国に輸出とかいう展開になれば、面白すぎるのだが。


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 コメント一覧 (2)

    • 1. にゃー
    • 2011年09月03日 16:43
    • そして海外のシェアを中国に奪われ、自分の首を絞める日本の出版業界でした。
      チャンチャン
      まあ冗談?はおいといて、読者としては、面白い作品に出会えるなら大歓迎。
      ただ、中国の厳しい表現規制の中、中国人作家は大変だと思う
    • 2. Chinanews
    • 2011年09月04日 18:06
    • >にゃーさん
      出版規制は大変でしょうね。輸出する分には規制がかからないので、表現欲を満たすにはいいかもしれません。

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