中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年09月05日
総合評価は向上したが、個別の数値を見ると悪化しているものもある。筋力、柔軟性、バランスなどの数値が悪化したのが目立つほか、目立つのは体重の増加だ。標準体重を超えている比率は成人で前回比3ポイント増の32.1%、高齢者で4.2ポイント増の39.8%に達した。肥満率は成人9.9%、高齢者13%に達している。
4日付黒竜江晨報は、体育科学研究所研究員、群衆体育研究センター副主任の王梅氏のコメントを伝えている。2000年から2010年における、中国人の体重増加量は、欧米人が過去30年間に増えた量とほぼ同等だという。改革開放までは「痩せすぎ」の状態だったが、それから30年が過ぎた今、今度は肥満が問題となりつつある。
食生活が豊かになったばかりではなく、歩いたり自転車に乗ったりする機会が減ったことが大きな要因だと王研究員は分析している。
■日中韓体力低下の時代
食生活の改善に伴う体格の向上。その後にやってくる近代的生活による体力の低下。日本と韓国がたどった道を中国は急ペースで追いついているという印象だ。「**年の差」などという言い方があるが、この面に関して東アジア3国が並ぶのもそんなに時間はかからないのかもしれない。
もっとも中国の中でも大きな地域差があることには注意が必要だろう。地域別の国民体質総合指数合格率を見ると、最高値は上海市の96.1%。2位は広東省の95.7%。最低値はチベット自治区78.9%。ワースト2位は青海省の80.8%とおおむね経済力に比例して順位が決まっているようだ。広西チワン族自治区が3位とか経済力に反する順位もあるが……。
また都市と農村の差も歴然で、平均して10ポイント程度の差がついている。大都市部と田舎、農村との体格格差も今後、顕著なものとなりそうだ。