なぜ中国人はこんなにトランスフォーマーが好きなのか?
5日付
中国青年報は今夏(6~8月)の映画興行収入トップ5を紹介しているが、『トランスフォーマー3』は10億8000万元(約130億円)でトップ2位の『カンフー・パンダ2』6億1000万元(約73億円)、3位の『建党偉業』3億9700万元(約47億6000万円)に大差をつけている。
しかも、トランスフォーマーと中国国産映画のチケットを抱き合わせ販売という妨害工作まで報告されていただけに、本来ならばもっと伸びていた可能性もある。
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*四川衛視の報道。
ちなみに興収8億元(約96億円)を目指すと豪語していた『建党偉業』だが、目標の半分となる4億元(約48億円)ちょいで息切れとなったもよう(南国今報)。それでも十分すごい数字ではあるが……。今年、中国の映画産業は急成長。スクリーン数の急増もあり、興行収入は総計で前年比30%増の130億元(約1560億円)に達する見通しだという(新華娯報)。
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■関羽トランスフォーマー出現
話をトランスフォーマーに戻すと、ともかく中国人はトランスフォーマー好きで、よくわからないところでもその愛情が炸裂している。
*四川衛視の報道。
こちらは西安市に関羽トランスフォーマー出現という記事(四川衛星テレビ)。ビルを背に青龍偃月刀を手にした姿がかっこいい。と写真を眺めていると、どこかで見たような記憶が……。実はこのロボット、今年5月には瀋陽市で公開されていたものだ。
解放軍車両型トランスフォーマー 遼寧省に登場
チャイナネット、2011年5月10日
ある大学生の卒業作品である。作品は高さ9.7メートル、重量約4トン、30万元の費用がかかったという。 この作品は旧型の「解放軍トラック」のフロント部分、車体、車輪に酷似したパーツで作られている。
客寄せにはちょうどいいと各地を巡回しているのだろうか。30万元(約360万円)の制作費も十分取り返せたかもしれない。ちなみにこの関羽トランスフォーマーが変形する動画もある。
■中国本土版トランスフォーマーVS台湾版トランスフォーマー
なお2010年にはやはり等身大のトランスフォーマー模型が公開されている。廃棄された車の部品などを使って作られたもの。こちらも最初に公開された北京市を皮切りに巡回しているようだ。
*千竜網の報道。中国本土だけではなく、台湾でもトランスフォーマーは人気があるよう。こちらの
動画は台湾の一般市民が作ってしまった、味のあるトランスフォーマーを紹介している。
模型だけではなく、動画でも中国版トランスフォーマー(?)は大活躍。
こちらは中国本土トラックメーカーのCM。
台湾も負けてはいない。2009年に作られた兵士募集用広告がこちら。
ちゃっかり北京まで攻め込んでいるやんか!と話題になった。
(関連記事:台湾軍が巨大ロボットを配備?!面白CMに大陸からクレームが)これほどトランスフォーマーが好きなのだから、そろそろ中国国産トランスフォーマー映画を撮ってもいいのではないか。アニメ版はすでにあるのだし。予算的に大物監督じゃないと厳しそうだが、ここは一発、チャン・イーモウのチャレンジが見たいところだ。