中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年09月07日
中国市場トップを目指し、激しく百度と争っていたグーグルだが、2010年1月、Gmailなど同社サービスが中国発のサイバー攻撃を受けていることを発表。これ以上我慢ならんと訴え、検索サイトの検閲も撤廃するよう中国政府に求めた。果たして同年3月には「Google.cn」は事実上閉鎖。アクセスすると、香港向けサイト「Google.com.hk」に転送する設定となっていた。
なお、一度は全面衝突した中国政府とグーグルだが、その後は微妙にクールダウン。「Google.com.hk」にはアクセスできるが、天安門事件などよろしくない単語で検索するとアクセスが遮断されるという微妙な状態が続いている。
■ICP認証と発表の意味
今回、年度検査を通過したICP(Internet Content Provider)とは、中国でサイトを開設するために必要な認証。中国では勝手にウェブサービスを始めてはならず、お役所に登録する必要がある。
(関連記事:「中国向けWebコンテンツとICPライセンス制度についてまとめてみる」『タイトル未定。』、2010年6月12日)
ICP認証成功のニュースを見た人には「Google.cn」のサービスが再開されるのではと期待する声が上がっている。が、早とちりではないかというのが経済観察網の指摘。ICP認証には5年に1度の詳細な審査と、年に1度の簡易年度審査がある。グーグル中国のICP認証は2007年に取得されているため、今回は簡易検査に過ぎない。「Google.cn」実質閉鎖後の昨年7月にも同じ検査を通過しているので期待するべきではないとのこと。
とはいえ、昨年の年度審査通過時にはさっぱり話題にならなかったのに、今回はわざわざグーグル中国が発表したと考えると、なにか動きがあるのではと勘ぐりたくなるところではあるが……。