• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

恐喝レベルの「技術移転」要求=米GMにハイブリッド車技術をねだる―中国

2011年09月08日

14億人の中国市場に進出したいでしょう?人口多いだけじゃないですよ。先進国と違っていろんな面でまだまだ遅れてますんで、欲しいものがたくさんあるんですよ。これから買いまくりですよ。あなたたちの製品、ばりばり売れますよ。

ね、進出したいでしょ。ただし、タダってわけにはいかないんだなぁ。進出するなら、あなたたちの技術ください。中国企業も育てていきたいんでね。イヤですか?イヤならいいですよ。他から買いますから。

というのが「市場と引き替えに技術をもらう」中国の戦略。もっとも典型的とも言えるのが高速鉄道だろう。日本、ドイツ、フランス、カナダの技術を同時に導入。各国に競わせて、技術移転という譲歩を引き出す戦術を徹底した。その副作用として、各国の異なる技術が混在するキメラのようなシステムとなり、今夏の追突事故の要因になったとも伝えられているが……。

この「市場と引き替えに技術をもらう」戦略はさまざまな分野に使われているが、次代の成長産業として期待されるハイブリッド自動車でも同じことをやっているという。


Chevrolet Volt, downtown Washington DC / mariordo59



■米紙の報道

2011年9月5日付ニューヨークタイムズは、米自動車企業のハイブリッド技術が、中国に恐喝され奪われようとしていると報じた。「獲物」となったのは、米ゼネラル・モーターズ(GM)のハイブリッド車シボレー・ボルトの中核技術だ(7日付BBC中国語サイトでも報道)。

GMは中国でシボレー・ボルトを生産、中国市場での販売拡大につなげたいとの意向を持っているが、中国政府はモーター、電子制御、バッテリーの主要技術のうち、どれか1つを中国企業にわたすよう求めたという。断った場合にはボルトをエコカー補助金の対象外にするという明白な脅しつきだ。まだまだ高額なハイブリッド車、補助金がなければ売れる可能性は小さい。

ハイブリッド車の技術はGMだけのものではなく、米国民の血税が投じられたものと指摘。中国のやり方は世界貿易機関(WTO)ルールに抵触する可能性があると批判している。


■日本メーカーは?

中国政府の恐喝という政治的に危険なネタをさらりと報道できるところは、さすが米メディアといったところか。気になるのは日本メーカーはどうなのかという点だが……。

トヨタ:プリウスの中国生産再開へ
毎日新聞、2011年9月4日

トヨタ自動車は4日、中国でハイブリッド車「プリウス」の生産を再開する方針を明らかにした。05年から09年まで、2代目のプリウスを合弁相手の中国自動車大手、第一汽車と現地で生産していたが、中国政府から3代目となる現行モデル製造の認可をこのほど取得した。

中国がGMだけに技術移転を要求して、トヨタには要求しないということは考えにくいのではないか。すでに製造認可を得たとすると……。なにか裏事情があるのではと勘ぐりたくなる話ではある。


トップページへ

コメント欄を開く

ページのトップへ