中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年09月08日
序盤から3連勝を決めたとはいえ、その内容は決してほめられたものではない。明らかに格下のタイには3対0と快勝したものの、韓国戦には2対1、オーストラリア戦には1対0と最少得点差での勝利。ピンチを迎えたシーンも少なくなかった。今日の北朝鮮戦は終盤、完全に足が止まり、北朝鮮の猛攻を跳ね返すことができなかった。
この苦境を救ったのはなでしこジャパンの成熟ではないだろうか。無理をしないで丁寧にパスをつなぐ冷静さ、試合終盤のいやらしい時間稼ぎ、むやみに走り回るのではなく勘所を押さえた動き……。相手を圧倒するような強さは見せられなかったが、世界王者の経験が勝負強さにつながっていた。
日本以外のチームが取りこぼしや予期せぬ敗戦と安定的な力を見せられなかったことと比べると、見た目以上の大きな差があった。
■心が折れた「鉄のバラ」
中国屋として、「鉄のバラ」こと中国代表についても一言。
体のでかさやスピードは健在も、余裕がないサッカーで順当に弱体化している印象だ。W杯準優勝、アジアでは常勝の歴史は今や昔、勝負勘を完全に失った感がある。今日のオーストラリア戦、いくつも決定機を作り出した序盤は運動量が多かったが、不利になるとそのまま気力も減退。ゴールを決められてからは取り返すという気持ちは見えず。最後は歩いている選手も多かった。得点力不足も深刻で、ここまでタイ戦であげた2ゴールのみにとどまっている。
まだ最終節を残しているが、第4節終了時点で上位3チームは日本、北朝鮮、オーストラリアとW杯出場チームで占められた。中国はこの3チームとは大きな差が付けられてしまったようだ。6位のタイは明らかに格下だが、中国の実力はその一つ上というのが正直なところではないか。
心が折られた、残念な負けっぷりにファンもメディアも投げやりモード。数字的にはまだ五輪出場の可能性を残しているが、「もう無理」とあきらめモード。監督やめさせようぜ、サッカー協会が悪いといつもの戦犯探しモードに突入している。