中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年09月09日
■小ロット部品の発注先がない
微妙な判断を迫られる。修理用の小さな部品を少量でも引き受け作ってくれる町工場のようなところがあればいいのですが、ロシア有数工業都市ニジニ・ノヴゴロドでは私たちはそういう融通の聞く工場を今のところ見つけていません。周りは大きな工場ばかりです。
しかし、大きな工場は小さな部品1コどころか100コという商売さえ興味がないようです。渋々引き受けてくれることがあるのですが、契約からして手続きがややこしい上、納期が長くて、料金も高くて……大変です。
こうなったら日本から送ってもらうのが一番簡単そうな方法に見えるのですが、ロシアは通関手続きが大変で時間がかかる。結局至急必要な部品については日本からの出張者に持ってきてもらうしかありません。
■研磨代より安い新しい刃
この前、ある刃を研磨しようとしました。しかし、隣の工場から出た見積もりはワンセットで12000ルーブル(約36000円)と日本の数十倍ものの高さ。別の会社に行ったら、持ち込まれる部品の研磨はお断りですが、新しい刃なら作れるという。値段はなんとワンセットで1500ルーブル(約4500円)です!
物を作って、焼きを入れて、研磨してこの値段。最初の研磨だけの見積もりはいかに「やる気ない値段」だったかよくわかります。新しい刃は研磨できるのに、なんで持ち込んだ部品じゃだめなのかわからないまま、刃を新しく作ることになりました。
■ロシアでの仕事はスリルがいっぱい
つい最近、ある部品を現調化しました(「現調化」ってどこまで「普通」の日本語になっているのかわかりませんけれども、要するに今まで海外からロシアに持ってきていた部品などを、現地で調達するようになることを言います。現地調達化)。私たちも今まで輸入していた部品をロシアのある工場で作ってもらえるようになりました。
本格的な仕入れはまだこれからなんですけど、ちゃんと作ってもらえるかどうか実はちょっと不安です。「だって、できなかったんだも~んと言われそうな気がしてならない。材料が来ないからしかたないんだも~んとかね」と社長は笑う。さすが社長だ。「できたときが納期だ」というロシア人を今までいっぱい見てきているので、状況がよくわかる。
日本の会社で働いているみなさん、スリルいっぱいのロシアでの仕事を一度体験してみてはいかがですか?
*当記事はブログ「ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。