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海を渡った日本の格闘技文化=新世代の中国選手がやってくる―Krush

2011年09月10日

2011年9月24日、東京後楽園ホールにて立ち技格闘技イベント「Krush12」が開催される。今大会にはリュウ・ウェイ、ジャン・ポー、チェン・ミンミンと3人の中国人選手が参加する。次第に盛り上がりを見せつつある中国格闘技事情について、中国人選手の日本側コーディネートを担当しているチャイニーズ・ファイティング・プロモーションの岩熊宏幸代表に話を聞いた。

今回、「Krush12」に参加する3選手は、中国の格闘技大会「英雄伝説」を主戦場としている。岩熊代表によると、「英雄伝説」は2006年に中国北京盛華武術クラブが主催・スタートしたもので、中国国家体育総局・中国武術協会が中国国内において散打以外で初めて認可した格闘技イベント。K-1ルールとムエタイルールを主体としている。

年に2~3大会が開催されており、最近では8月13日に江西省南昌市で開催された。同大会には、タイのムエタイ8冠王ヨーセングライ・フェアテックス選手も参戦。中国のバタール選手とドローに終わった。

一口に立ち技格闘技と行っても各団体でルールは異なる。K-1という世界的に見ても大きな影響力を持ったコンテンツがさまざまな選手が交錯する場を生み出す媒介になったと岩熊代表は話している。今回もやはりK-1ルールを採用する「Krush」が日本と中国が衝突する舞台となる。岩熊代表に見どころを聞いた。

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*画像はKrush公式サイト


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Q:英雄伝説をはじめ、中国ではさまざまなプロ格闘技興行が開催されるようになったそうですが、プロを目指す選手、若者も増えているのでしょうか?

A:ここ数年の経済成長に呼応するように、プロを目指す選手はかなり増えてきました。一回の試合で100万円以上のファイトマネーを得る選手も出て来てい ます。トップ選手ともなればファンサイトがあったり、スポーツ番組などで解説を行うなどテレビ番組への出演もあるなど、多くの若者の憧れの的となっていま す。


Q:中国選手全般の特徴のようなものがあれば教えてください。これまで日本の試合に出場した中国選手を振り返ると、投げ技もある散打の影響か、パワーがある選手が多いという印象がありますが?


A:同じアジア人と言うことで、日本人と似通った印象がありますが、中国の選手は総じて骨太で重いパンチやキックを持っています。私自身は中国の選手はアジア系というよりは大陸・ヨーロッパ系の選手に近いと感じています。どの選手もハングリー精神が強く、また、非常に打たれ強いのでなかなかKOされにくい というのも特徴でしょう。


Q:新たな格闘技ブームのなかで、中国選手の競技的バックボーン、技術体系やトレーニング方法などにも変化があるのでしょうか?もし新たなトレンドがあるようでしたら教えてください。


A:90年代の選手のバックボーンは基本的に散打でしたが、最近では最初からボクシングやキックボクシング・ムエタイを学んでいる選手が多くなりました。 国家指定の武術学校の他に民間のジムも増えています。民間ならではフットワークの軽さを活かし、本場タイよりムエタイのトレーナーを招聘するなど環境改善に努めています。

また大きなトレンドとしてインターネットの普及によりネット動画やQQなどで世界各国の格闘技の試合を視聴しているので、対戦相手の研究や新しいテクニックの情報収集が非常にスピードアップしています。


Q:「対日本」「対海外」という対抗意識が強い中国勢と、卜部選手、梶原選手というまさに日本のトップキックボクサー2人を含んだ「Krush」を背負う日本勢。どちらにとっても負けられない大会になると思います。勝敗を分けるポイントを教えてください。

A:中国の選手はKOに非常にこだわります。細かい駆け引きよりも、倒すか倒されるかの打ち合いをしかけてくるファイトスタイルですので、相手のペースにはまってしまえば日本人選手も危ないかも知れません。私は中国人選手をプロモートしている日本人ですのでどっちにも勝って欲しいというのが本音ですが、勝敗のポイントはテクニックより精神力になるのではないかと感じています。いずれにしても激しい打ち合いが展開される非常に面白い試合にあると思います。

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KOを狙う、ガッツあるパワーファイターがそろう中国選手。迎え撃つのは日本のトップファイター。24日の「Krush12」では好試合が期待できそうだ。今後も続く日中格闘技対決の幕開けという意味でも、今後の格闘技界に大きな意味を持つイベントとなる予感がする。


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