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殺人依頼を受け厨二病暗殺者が集結=妄想で終わらず女性を刺殺―上海市

2011年09月10日

2011年9月7日、財新網は「8.26香港女幹部殺人事件」の容疑者全員が逮捕されたと報じた。

事件が起きたのは8月26日のこと。香港籍の女性・陳さんが上海市虹口区衡水路国際明佳城団地の自室で刺殺される事件があった。犯行を企てたのは同僚の沈。ある香港企業上海支社の財務主管だが、仕事ぶりが悪く、昨年6月に陳さんにより降格された。その恨みに加え、財務主管として750万元(約9000万円)を横領していたことが発覚するかもしれないと殺害を決意したという。

だが、沈は自らの手で殺害しようとはしなかった。なんとインターネットを通じて、暗殺者を雇おうとしたのだ。こうして、この事件には続々と「我こそは闇に生きる暗殺者」という厨二病(ウィキペディア)アサシンが続々と登場することになる。


Assassin Creed / iz4aks



■口ばっかりの自称暗殺者たち

まず沈と接触を持ったのは杜(ハンドルネームは『石頭』)。今年2月、ネットで知り合った。沈は報酬として15万元(約180万円)を支払うと持ちかけ、殺人を依頼する。

この杜が犯行に及んだ……わけではなく。杜もまたネットを通じて暗殺者を検索する。ひっかかったのは暗殺者集団を自称する高(ハンドルネームは『死卒』)と牟(ハンドルネームは『欲』)だった。杜はこの2人に殺人を依頼する。

かくして死卒と欲の2人が殺害に向かった……わけではなく。この2人も結局はネットで下請けしてくれる殺人者を検索した。ひっかかったのは費(ハンドルネームは『門徒47』)と崔(ハンドルネームは『夜』)の2人だった。

整理すると以下の通りだ。

依頼主:沈

下請け:石頭

孫請け:自称暗殺者集団の死卒と欲

曾孫請け:門徒47と夜


■「組織」に入りたかったんだ!

次々と登場する自称暗殺者たち。たんなる詐欺師ではなく、厨二病的ハンドルネームを見てもわかるとおり、「俺こそは闇の暗殺者」と妄想が入っていたのではないか。だからこそ、ネットの暗殺者検索(?)にもひっかかったのだろう。

誰もが依頼を受けては「任せておけ」と豪語するものの、やっていることはネットで下請け探し。厨二病の限界を感じるところではあるが、困ったことに夜(高校2年生)だけは越えてはいけないハードルを越えてしまう筋金入りの厨二病だった。

他の暗殺者たちは「支援する」という名目で何もしない中、夜は一人でマンションに侵入。陳さんを刺殺した。

なお報道によると、同じく曾孫請けの門徒47は得たものはたったの400元(約4800円)。中間搾取されすぎである。それでも殺し屋映画が大好きな彼は、「金のためじゃない。『組織』に入りたかったんだ!」と厨二病を爆発させていたという。

実行犯の夜も同じ曾孫請けの立場なので、色をつけてもらったとしても得た金にそう違いはないのではないか。わざわざ遼寧省からやってきたということで、往復の旅費だけで赤字になりそうだ。いきさつは思わず笑ってしまうような流れなのだが、殺人という犯してはならない犯罪につながってしまったのが残念なところ。みんながもっとヘタレで口先だけで暗殺者気分を楽しんでいればよかったのだが。



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