中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年09月13日
発売元は「Breadtalk」。中国でそこそこの規模を持つパン・ケーキ屋さんです。「キティちゃんとのコラボで若者の心を鷲掴み!これは他社が思いつかなかったアイディア!」を狙ったんだと思うが、そもそも、一部の老舗を除いて月餅ってそんなにうまいもじゃないし……。
毎年毎年、各社の月餅戦争が繰り広げられているが、正直、みんなもう飽き飽きしている……。でも、デザインはそこそこ凝ってるからいいんじゃない?(笑)
別のところに贈る気もないので(贈り物でもらった月餅を、また別の人にさらに贈るのは一般的です)、早速食べることに。アタッシュケースのような金具を外して、さあ、月餅とご対面!
と思いきや、箱の中にまた小さい箱で詰めるという、伝統的なムダパッケージだ。しかも、鏡まで付けるとはどう思ってるのかね?
味の方は抹茶、蜂蜜柚子、オレンジの3種類。邪道な味ばかり(笑)。 ちなみに高級月餅には「アワビ」「フカヒレ」なんていう味も。一回、「アワビ味」の月餅を食べたことがあったが(もちろんもらい物です)、思ったとおり、「これのどこがアワビなんじゃ!!!」とツッコミたくなりました。
たぶん、安物干しアワビのすり粉をあんこと混ぜて、堂々とこれぞ「アワビ味」の月餅だ、と売り出してるんだね。食べてる最中、時々「あ、なんか塩っぱい味がした、これがアワビ…だよね?」と感じる程度でした。なにはともあれ、また箱を開けると……。え、小さい……。
少なくとも、受け皿と同じ大きさの月餅を期待してたが……。ここまで消費者を馬鹿にしてるようなケチの仕方はあんまり見たことありません。外箱と並べると、小ささがいっそう伝わってきますね。
でっかい箱の中に、この小さい月餅が6個だけか……。まあ、贈る側は見栄えがよければいい。受け取る側も贈り物だからこだわらない、という両者の心理が働いてるのでしょう。誰もBreadtalkさんにクレームしなくて済む。この心理で、毎年の月餅市場は支えられてきたんだな、と思えば、ハローキティ月餅も普通なのでしょう。
さて、最後になりますが、お味のほうを。おいしくなかった……。ということで、発見時がテンションのピーク。それから食べ終わるまで、見事にテンションは右肩下がりでした(笑)。
月餅はほとんどが餡。最悪、「ひたすら餡を食ってる」状態が続きます。口の中でネバネバして、水分を全部吸い取る系食品の一つなのです。江蘇省では、他地域ではあまり見かけない、ひき肉を餡とした「肉月餅」が有名です。これはおすすめできる一品じゃないか、と。あと、塩漬けアヒルタマゴの黄身入りの月餅が個人的に好きです。
というわけで、上海は今曇り、お月様も見れずに、俺は寮で一人ぼっちな中秋祭でした~~~(笑)
*当記事はブログ「オレ的中国の実態」の許可を得て転載したものです。