中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年09月16日
ところで今緊急情報が入って来た。「中共のために自国(日本)を裁判する日本人弁護士たち」214名分の実名と住所が、中国の胡錦濤主席の娘婿が経営する「新浪」というネット上に流れているというのである。
しかも緊急情報とおっしゃっているが、佐藤氏が紹介した名簿は2007年に公開されたもの。「消される前にご覧いただくために、ネット名をご紹介
しておこう」と説明されているが、4年間も公開され続けた記事がそんな簡単に消される心配はないのではないか。ネット掲示板や他のブログにも転載されているので、一気に全滅するリスクは小さいように思う。
なお名簿に載っている住所だが、「**ビル」という書き方がほとんどなので、自宅ではなく弁護士事務所の住所と思われる。
■佐藤守氏が紹介していた中国語ブログ
張三のBlog
王选的博客
■一つの間違いが全体の信頼性を脅かす
なお、佐藤氏は今年7月、「緊急情報」という記事で、「今入った情報によると、29日大連港で中国海軍の原子力潜水艦で事故が発生し、放射能が漏れているという」という情報を流して話題を振りまいたことがある。どのルートで情報を仕入れたのか明記していないが(今回の弁護士リスト記事もそうだが)、おそらく香港のタブロイド紙がネタ元だったと見られる。
放射性物質はきわめて感知が容易であるため、もし大規模な流出があった場合、情報を隠蔽し続けることは困難だ。中国の細かいネタ、ネットの噂までひろうBBCやRFAなどのメディアがすべてスルーしたことを考えても、原潜事故は誤報だった可能性が濃厚だ。
右でも左でも反中でも親中でも、他人様の政治的志向をどうのこうの言うつもりはないが、不確実な情報を拡散させるのはいかがなものか。論拠に一つでも間違った情報があれば、他の情報も間違いではないかと疑われるもの。「日本人がわいわい騒いでいるが、あれ全部、誤解で騒いでいるだけなんだぜ」とオオカミ少年扱いされるのは勘弁していただきたいところだが……。
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