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2011年09月16日
台湾・呉総理 「韓国ドラマを見ると反吐が出る」 「見れば見るほど背筋が寒くなる」ニーてつブログ、2011年9月16日
15日中国の新華社通信などによると、呉敦義台湾行政院長(総理格)は「台湾のテレビ番組は陳腐で、毎日韓国ドラマが流れ、二番煎じ、三番煎じの内容に反吐が出る」と話した。
呉院長は引き続き韓国の『韓』と、寒いという意を持った『寒』の中国語発音が同じ点を利用して
「韓国ドラマは見れば見るほど背筋が寒くなる」と話した。
(…)台湾では昨年広州アジア競技大会で女テコンドー有力金メダリスト候補であった楊淑君が1回戦で失格になった後、「韓国の審判が不当な判定を下した」と声を上げ韓国商品不買運動と韓国ドラマ視聴拒否運動が広がった。
ソース 朝鮮日報(韓国語) 2011.09.16 10:50
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2011/09/16/2011091600868.html?news_Head2
もっとも朝鮮日報記事にはちょっとした問題がある。中国台湾網の報道によると、呉敦義院長は「毎日韓流ドラマばかり。見ればみるほど寒くなる」「台湾のテレビ番組はダメなものばかり。再放送ばかりで吐き気がする」と発言している。なにも韓流ドラマだけを叩いた発言ではないのだ。
■コスパ最強の韓流ドラマ
本サイトでも台湾の韓流ドラマ問題について取り上げてきた。
台湾議員が「韓流ドラマ排斥」法を提出?!「バッシングされるほど人気がある」と自慢げな韓国メディア
台湾でも韓流ドラマが社会問題に=韓国チャンネルと化したチャンネルに当局が改善命令
簡単にまとめると、台湾有線放送テレビ法では、放映時間の20%は台湾製番組を流すべしという規定があるが、ケーブルテレビのドラマチャンネルは「そんなにたくさん自社制作番組を作る金はないです」と、再放送や外国ドラマの放送でお茶を濁している。今夏、テレビ局の免許更新申請の時にこの問題が指摘され、韓流ドラマばかりを流していた東森テレビには「来年3月までの是正」が命じられた。
外国ドラマの中でも、値段と人気を勘案したコストパフォーマンスが優れている韓流ドラマが多く放送され、台湾製番組振興を目指すグループから目の仇にされたという次第。1月に話題となった時には、「韓流ドラマ、日本ドラマを排除せよ」という議員の発言を報じたメディアもあった。日本文化に親しみを持つ人が多い台湾だが、コスパで見ると、日本ドラマは韓流に完敗しているようだ。
■多チャンネル時代のすき間に入り込む韓流ドラマ
呉院長の発言は、来年のデジタル放送開始までに改善を求めたものだが、なかなか難しいのではないだろうか。「穴埋め時間帯にとりあえず韓流ドラマ」というのは日本のBSとよく似ている状況。最近、仕事場にテレビを入れたので、BGMがわりに流しているのだが、BSの民放は通販番組や韓流ドラマしかやっていない印象だ。
日本と台湾に共通しているのは、多チャンネル時代に対応するだけのコンテンツを用意するのは至難の業という悩みではないか。コスパ最強の韓流はそうした間隙をぬって、アジアのすき間を埋めているのかもしれない。