中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年09月19日
■四面楚歌の日本にもはや打つ手なし!?
前述したように、9月18日前後は反日的ムードが漂います。メディアもその例外ではありません。今日はその一つである新華網の記事「港媒:日本在中国南海开始蠢蠢欲动」(日本、南シナ海で策動―香港メディア)です。拙記事「日本とフィリピンが領土で中国を牽制するための会議を開催」に関連する内容です。
日本とフィリピンが領土問題で中国を牽制するために会議を開催したという、前回記事同様の話を枕としてますが、その論調は大きく異なります。前回の記事ではアメリカが黒幕とされていましたが、今回の記事は「四面楚歌の日本が状況を打開するためフィリピンと連携を図ったもの。だが、ろくなことにならない」と主張する内容です。
日本の「四面楚歌」というのは、北はロシアに押し込まれ、さらに尖閣諸島や東シナ海の油田開発問題でも中国が「日本の理不尽な要求に厳しく反駁」している状況とのこと。日本はすでに打つ手なし、だそうです。
■「南シナ海への介入は日本にとって良い結果をもたらさない」
追い込まれた日本は、南シナ海に外交的活路を求め、「フィリピンと共同戦線をはり、南シナ海でもめごとを引き起こしている」と指摘しています。しかし、日本が太平洋戦争で東南アジアに多大な災厄をあたえていること、世界経済が低迷するなか、東南アジア諸国が中国市場への依存をふかめていることから考えて、日本の企みは成功しない。それどころか、日本にとってもろくな結果にはならないと断言しています。
「飛ぶ鳥を落とす勢い」を持つ者ならではのうぬぼれた見解ではないでしょうか。記事は日本の現状についてさらに分析しています。
日本は第2次世界大戦後、最も早く発展した国家で、長期にわたり貿易立国の政策を遂行し、すばらしい成果を挙げてきた。しかしここ数年、国際エネルギー価格は上昇を続けている。日本の工業製品の優位性はすでに失われており、経済は伸び悩んでいる。こうした中、知的所有権貿易と金融・投資を通じて世界での影響力を得ようと試みている。
南シナ海でもめごとを起こし、フィリピンらと連合し、中国から当該地区の天然ガス資源を奪おうとする。これは日本政府が危険な道に踏み込んだことを意味する。日本は海洋大国とはいえ、資源に乏しい国だ。海洋経済を再興するためには、新たに広大な空間を探す必要がある。だが、災いを人に押しつけ他国に損害を与えることで、海洋権益の拡充を図るのであれば、最終的には因果応報の結末が待っていよう。