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2011年09月22日
■元消防兵の狂った犯罪
女性を監禁、殺害していた犯人は洛陽市技術監督局執法大隊で働く李浩(34歳)。以前は消防兵として働いていた経歴も持つという。
李はこの2年間、洛陽市各地のナイトクラブ、カラオケに出没、風俗嬢を連れ出しては地下室に監禁していたという。もっとも長い女性で2年間、短い女性で3カ月間、この部屋に監禁されていた。地下室は4年前に人から購入したものだという。マンションの地下倉庫にある、四つん這いにならなければ通れない細い通路を通った先にその部屋はある。
もともとは20平米にも満たない小さな部屋だったが、李は自分で掘って拡張していたという。その土砂は夜中に運び出していたということで、近所の住民も気づいていなかった。
■女性たちを「調教」
監禁されていた女性たちは「性の奴隷」とされていただけではない。李は日頃から女性たちを「きっちり調教」(元分では「調教有方」)していた。女性たちは李を「兄さん」「旦那様」と呼ぶようしつけられ、誰が李と寝るかを争ってケンカするほどだった。
死亡した女性の一人もそうしたケンカが発端だったという。女性2人のケンカに李が肩入れ、片方の女性を殴り殺した。もう一人の女性は言うことを聞かなかったため、他の女性への見せしめもあって殺された。遺体はいずれも地下室の片隅に埋められていた。
■妻も子どもも犯罪を知らなかった
地下室へと続く通路にはいくつもの鉄の扉が設置されていたほか、女性たちが逃げようという気を起こさないようにするため食事を2日に1度しか与えないこともしばしばだったとか。それほど厳重な警備だったにもかかわらず、女性が逃げ出して通報できたのはなぜだったのか。それは李の「手元不如意」が原因だったという。
金がない時、李は「一番言うことを聞く女性」に売春させ、出稼ぎさせていたという。通報した女性も、外に連れ出された時にすきを見て逃亡している。
李には24歳の妻と子どもがいた。家族には「警備のアルバイトをやっている」とウソをついては地下室に行っていたとのこと。妻も子どもも夫がこれほど恐ろしい犯罪に手を染めているとは知らなかった。月の半分は家族と、残る半分は地下室の女性たちと過ごしていた。
*2011年9月25日追記:続報あり。「【洛陽性奴隷事件】政府職員の犯罪は「国家機密」なのか?スクープの記者を市政府が脅迫」
女同士で共謀すれば、逃げ出せたかも知れない。