• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

日本メディアが火を着けた蒼井そらマイクロブログ「炎上」―中国

2011年09月22日

中国で大人気、タレントの蒼井そらさんがツイッターで日本メディアにお怒りのコメントをつぶやいている。蒼井さんにとってはとんだ災難だったと思うが、今回の一件、ソーシャルメディアを使う人にとっては重要だが、対応が難しい課題を浮き彫りとしたものとなった。

20110922_aoi
*画像は蒼井そらさんの新浪ウェイボー。謝罪のコメント。



この「悪意のある記事」とは、満州事変の発端となる柳条湖事件記念日、俗に「国恥記念日」と呼ばれる9月18日に、中国のマイクロブログ・新浪ウェイボーで「超楽しい」と書き込み、「炎上」したことに関するネタだ。管見の限り、時事通信、サーチナ、レコードチャイナ、J-CASTが配信している。

柳条湖80年の日に「超ハッピー」=蒼井さんのブログが炎上-中国(時事通信、2011年9月21日)

蒼井そら:満州事変の日に「超楽しい」とつぶやき…中国で賛否殺到(サーチナ、2011年9月21日)

「超楽しい!」とつぶやいた蒼井そらの「微博」が大「超楽しい!」とつぶやいた蒼井そらの「微博」が大炎上―なぜ起きた?炎上―なぜ起きた?(サーチナ、2011年9月21日)

蒼井そらが“国辱の日”に「超ハッピー」、ネットユーザーから非難殺到―中国(レコードチャイナ、2011年9月22日)

蒼井そら「超ハッピー」発言で炎上、中国版ミニブログに謝罪文(J-CAST、2011年9月22日)


■本当に「炎上」したのか?

いずれの記事も1万件を超えるコメントがついたこと、批判が多いことを紹介し、「われわれは歴史を忘れない」「蒼井のフォローを解除した」といったコメントを紹介している。

これに蒼井さんは「中国内では問題にもなってないし、炎上もしてない。悪意のあるコメントだけ拾って記事を書く日本の記事は最低」と返答したわけだが、個人的には蒼井さんの言い分もよく分かる。というのも、問題のつぶやきに寄せられたコメントをざっと眺めて見ると、批判的なコメントの比率は半分を大きく下回るものだからだ。しかもどぎつい批判コメントを書き込んでいる人は一人で何件。何十件も書き込んでいるようだ。

また589万人もフォロワーのいる蒼井さんだけに1万件のコメントもそんなに珍しいことではない。例えば9月17日のつぶやき、「これは東京タワー。東京のシンボルです。すごい!中国にも似ている塔がある?見てみたいな」にも1万件を超えるコメントが寄せられている。


■日本メディアが火を着けた

もちろんまだ盛り上がっていなかったとしても、これから盛り上がった可能性もある。中国のウェブ炎上ではマイクロブログやネット掲示板で話題になるのは第一段階。マスメディアがとりあげて初めて本物の炎上となる。今後、どこのマスメディアが取り上げるか、正直読めない。

こういう場合に先手を打って謝るのがいいのか、それとも様子見を続けるのがいいのか、きわめて悩ましい問題だという。様子見していればこのまま忘れられる可能性が高い、早めに謝れば好印象を与えられる可能性はあるが、問題がマスメディアに取り上げられ一気に広がる可能性は高くなる。

ちなみに今回は、以下のような流れとなっている。

18日:蒼井さんの「問題」発言

21日:日本メディアが報道

21日:日本華字紙・日本新華僑報が報道

22日:蒼井さんが新浪ウェイボーで謝罪

22日:日本華字紙・日本新華僑報の報道を環球網鳳凰網が転載

■「ひょっとしたら炎上するかも」という時にどうするか?

日本メディアが、特に時事通信が報道しなければ、何にも起きなかったのではないかとも思えなくもない。本物の炎上ではなく、「炎上なるかも」の時にどう対応するべきかというのは難しい問題だ。炎上した、あるいは間違いなく炎上までいくとわかっているならば、早めに謝罪するなり、なんらかの対応をとるべきだろうが、「ひょっとしたら何もおきないかも……」という時に果たしてどうするべきか。

謝罪することがむしろ炎上のきっかけとなる可能性もあるのだ。そういう時、果たしてどう行動するべきなのだろうか?蒼井さんならずとも、ソーシャルメディアを使う人ならば、誰にとっても悩ましい問題ではないだろうか。


■おまけ:蒼井そら主演映画が台湾映画祭で高評価

16日付中時電子報によると、台湾・高雄映画節で、蒼井そらさん主演の香港映画「復仇者之死」が高評価だったという。話題を振りまいた映画「3D肉蒲団」の出演者を圧倒する演技力を見せたべたぼめ。同作は香港ポルノ映画の新たなスタンダードになると高く評している。



関連記事:
なぜ中国でここまで『蒼井そら』が人気なのか?中国人から聞いたその理由―中国オタ事情

解読「蒼井そらの中国人気」=反「反低俗」とネット精神の象徴から一般的人気へ―中国紙
フォロワー800万人突破!蒼井そら、中国で稼いでます!「AV女優」から「女性タレント」に肩書きも変更(水彩画)
全ての芸能人は蒼井そらとスコット・ノートンに学べ!グローバル芸能界で生き残るために
【連邦のMSは化け物か】中国版ツイッターに蒼井そら降臨!中華芸能人に圧勝の破壊的影響力
中国ネット界のヒット曲「流川楓と蒼井そら」の歌詞が泣ける=ジャパンカルチャーどっぷりの若者たち―中国
<続報>蒼井そら降臨の衝撃=中国ネット民の声を訳してみた
<尖閣問題>元AV女優の紅音ほたるさんがツイッターで友好メッセージ=中国ツイ民に大反響
【連邦のMSは化け物か】中国版ツイッターに蒼井そら降臨!中華芸能人に圧勝の破壊的影響力
「蒼井そらの夜」とは何か?!エロとツイッターが取り結ぶ日中交流


トップページへ

コメント欄を開く

ページのトップへ