中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年09月25日
■完成する気配すら見えない最終報告書
「技術面、管理面に関する多くの問題を、さらに掘り下げて分析・検証する必要がある。よって事故調査報告完成にはなお一定の時間が必要」ともあり、最終報告書の完成はまだまだ先だと示唆しています。これで人々を納得させることはできないでしょう。
テレビやラジオも、ほとんど高速鉄道事故関係のニュースを報じなくなりました。中国のすべての人の記憶から今回の事故がなくなり去った時、ようやく最終調査報告が発表されることになるのかもしれません。
■JR北海道社長自殺報道への反響
さて、中間報告発表をさかのぼること数日の9月18日、JR北海道の社長が鉄道事故による心労のために失踪、自殺したというニュースが中国でも報じられました。このニュースは大きな反響を読んだようで、各メディアには多くのコメントが寄せられました。
(ソース:中国広播網)
コメントの多くは、先の鉄道事故の責任を取って自殺した中島社長の責任感を賞賛する内容でした。例えば、新浪網のコメント欄を見ると、「死を持って事故に反省を意を表した。中国人も見習うべきだ」などの内容であふれかえっています。
(ソース:新聞論壇)
自殺のニュースが報じられたのは、満州事変の発端である柳条湖事件が起きた日、中国では「国恥記念日」とも呼ばれる9月18日でした。例年、記念日前後には反日感情が高まり、満州事変に絡めて日本人に言いがかりをつけるような書き込みであふれかえります。そうした特別な日にもかかわらず、コメント欄が日本人への称賛一色で染まるのは大変珍しいことです。
「日本人は嫌いだが、日本人の真剣で責任を持つ精神に、私は敬服する」「日本人はちゃんと責任取るのに、王勇平元鉄道部報道官は外国に逃げて、のうのうとしている」
(注:この書き込みは削除されたようです)