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2011年09月26日
実際に売春していた「少爺」たちは成都市の労働市場で集められた。逃亡を恐れた喬らは最低でも半年以上働くことと約束、普段は鍵のかかった部屋に押し込めていたという。売り上げの半分が「少爺」たちの給与となるが、給与の6割が喬が保管し、旧正月の時に渡す約束となっていた。それもすべて警察に連絡されないようにするための策だった。
■売春業界の秩序を守れ
さて、喬が殺人を犯したのは2007年のこと。「鴨子兵団」という同業のサイトを見たことがきっかけだった。同業とはいっても、「まじめ」に売春サービスを提供するところだけではない。相手をおびき出しておいてから強盗へと転じる「美人局型犯罪集団」も少なくない。こんな輩が増えては男性同性愛者向け売春業界全体の名誉にもかかわると、喬は排除を決めた。
2007年2月、喬建傑は「鴨子兵団」のボス・小剛(仮名)に電話。買春すると偽っておびき寄せた後、賈全涛、郭浩の3人で飛びかかって小剛を取り押さえた。客先の電話帳のありかなどを問いただしたが、豪胆にも小剛はウソの場所を教えた。
もはや許してはおけない。そう決意した喬は小剛を殺害。死体は三つに切り分け、別々の場所に捨てた。殺害後、喬らは逃亡したが、1月後に逮捕された。喬建傑、賈全涛には死刑。郭浩には無期懲役。賀耀威には懲役13年。劉学生には懲役12年の刑が言い渡された。