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【写真】上海地下鉄追突事故、原因は信号機の故障ではない=繰り返された人為的ミス

2011年09月27日

2011年9月27日、上海市地下鉄10号線で衝突事故が発生。乗客500人のうち260人以上が負傷した。主に財経網を参照した。

午後2時51分、豫園駅から老西門駅間で列車の追突事故が発生した。時速10キロ程度の減速運転だったことが不幸中の幸いとなり、死者は出なかっ た。しかし乗客500人のうち260人あまりが負傷。立ち乗りの乗客も多かったこともあって転倒した乗客が流血し、車内は血まみれの凄惨な状況となった。

事故の原因となったのは信号設備の故障と報道されているが、それ以上に人為的ミスの要素が大きかったと見られる。

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事故発生からさかのぼること40分あまりとなる午後2時10分、10号線新天地駅で故障が発生。その後、新天地駅を挟む交通大学駅から南京東路駅区間では、「電話閉塞方式」を採用しての減速運転が実施されていた。「電話閉塞方式」とは前方区間に他の電車がないことを確認、後続列車に電話で連絡し進行させるというもの。
(関連リンク:「閉塞 (鉄道)」の「代用閉塞方式」―「通信式」を参照)

通常の信号設備が故障していても、電話閉塞方式での確認が取れていたならば、事故は起こるはずはなかったが、起きてはいけない事故が起きてしまった。専門家は「なぜ事故が起きたのか理解できない」と話している。

上海市地下鉄当局のマイクロブログアカウント「Shmetro」 は次のような謝罪のつぶやきを残している。

本日は上海地下鉄史上、最も暗澹たる一日となりました。最終的な原因と責任がどれであれ、市民、乗客の皆様に 傷と損失を与えたことを恥ずかしく思います。全力で負傷者を救助し、迅速に運行を再開させます。また関係部局による事故の調査と責任追及を受け入れ、協力 いたします。今回の一件を教訓として改善していきたいと思います。どれほど謝罪しても実際の損害に比べたら許されることではありませんが、ここに深くおわ びいたします。

ちなみにこの謝罪は3回目のつぶやき。その前の2回の謝罪つぶやきは削除されている。細かい文言が問題となったのだろうか。残念ながら未見なので比較はできないのだが。

信号設備の故障というハード面が発端となり、最終的な事故の発生を防ぐ砦となるソフト面の対応が機能しなかったことで大事故となってしまう。まさに7月23日の温州高速鉄道追突事故と同じ構造ではないだろうか。残念ながら教訓は生かされなかったようだ。
(ちなみに温州高速鉄道追突事故事故区間でも、今回と同じ卡斯柯信号有限公司製の設備が使用されていた。財新網。)

温州高速鉄道追突事故を引き合いに出しているのは筆者だけではない。東方網は次のようなタイトルの記事を掲載している。「専門家が注意=先頭列車は保存しないとダメだよ」、と。

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*写真は中国ジャスミン革命の報道。他写真多数。



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