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【写真】完成4カ月の高速道路が早くも穴だらけ=どぶに捨てられた1000億円―甘粛省

2011年09月28日

先日、手でさわるだけでぼろぼろ崩れる「粉末レンガ」ネタをご紹介した。中国では手抜き工事、建築材料の間引きといった話は日常茶飯事。毎日のように報道があるが、今回ご紹介するネタは特上級。なんと1000億円かけて作った高速道路が半年でぼろぼろになってしまった。

2011年9月26日、新華網は天定高速道路が完成から半年を待たずしてぼろぼろになり、大改修が始まったことを報じた。甘粛省天水市から定西市を結ぶ天定高速道路。江蘇省連雲港市から新疆ウイグル自治区イリ・カザフ自治州コルガスまでを結ぶ長大な幹線高速道路の一部でもある。

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昨年12月に一部開通し、今年5 月29日に全面開通したばかり。まだできたてほやほやだが、6月末には早くも陥没や亀裂などの問題が発覚した。仕方なく全面的な改修作業が実施されているという。大型車両の通行が禁止されている区間もあり、開通を喜んだドライバーたちは大ブーイングだ。


*35秒から天定高速道路の映像。

見ればわかるとおりひどい状況。全長235キロの建設に87億元(約1040億円)を注ぎ込んだとは思えない。開通後にこうなったのか、最初からぼろぼろだったのか、激しく気になるところだが、どちらにせよまともな工事とは言えない。誰が見てもどう考えても「手抜き工事認定」をしそうなところだが、担当者は大胆にも反論を試みている。

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天定高速道路プロジェクト弁公室の張志勇常務副主任は、「手抜き工事や建築資材の間引きはありません。誰もそんなことを言うはずはないですよ」と反論。使われた材料はすべて検査に合格したものだと強調した。ただ、どの材料もぎりぎり検査に合格できるレベルの低品質のものだったため、組み合わせた結果として問題が起きてしまったのだろうと主張した。

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もし張主任の言うことが正しければ、検査基準の設定が明らかに間違っているというほかないのだが……。

ちなみに1000億円注ぎ込んでちゃんとした高速道路を作るよりも、1000億円かけてダメ道路を作り、その後に500億円かけて改修したほうが経済効果は高い。これもまた中国式景気対策の一環なのかもしれない。

*写真は財新網の報道。他写真多数。


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