■12年度から消費税増税の見通し=すでに政府予算は空との噂も■インラック政権が直面している財政難により、来年からVAT(付加価値税、消費税)を引き上げる見通しであることが分かりました。
報道によるとポピュリズム的な公約を打ち出し、総選挙に大勝したプゥア・タイ党ですが、先日の閣議で承認された来年度の2兆3300億バーツ(約5億7100億円)の歳出に対し、今年の自然災害や世界経済の先行き不安などから歳入が減少、約4000億バーツ(約9800億円)の赤字になるとの予測が出ています。
新政権が立て続けに導入を決めた法人税減税や最低賃金引上げ、そして住宅・自動車購入減税等がさらに歳入を減少させるとの見込みから、VAT増税は避けられない状況にある様です。ただ今の状況でのVAT増税は消費を冷え込ませる可能性がある事から負のスパイラルに落ち込む事も考えられます。

Thai baht / Peter Hellberg
*当記事はブログ「バンコクでコンサルティング」の許可を得て転載したものです。
余談ですが、なぜインラック政権が石油基金取り崩しによるガソリン価格下落や、減税政策ばかりとるのか。なぜ、より直接的なバラマキをしないのかについては面白い話があります。あるプゥア・タイ党議員さんの話では、すでに今年度予算は使い切られており、空の状態だそうです。アピシット元首相が先日、そんなはずはないと強力に否定していましたが、
これまでの政権でも同じような使い切りがありましたが、もし本当ならインラック首相が急激に枢密院や軍との関係を修復している事もうなづけますね。おそらくその事実を公言しない事が交換条件になっているのかもしれません。
*当記事はブログ「バンコクでコンサルティング」の許可を得て転載したものです。