中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年09月29日
■史上最大のネカマ事件
9月28日、広州市公安局ニュース報道官弁公室は、話題となっているマイクロブログアカウント「若小安1」のつぶやきはすべて虚偽であると発表した(南海網)。売買春情報をつぶやいて話題となった同アカウントを警察は注目。27日午後にユーザーを逮捕した。
驚いたことにギャル系風俗嬢・若小安さんは実在しなかった。「中の人」は31歳の男性である林さん。家庭を持ち、子どももいる父親で、浙江省のある出版企業で編集長を務めているという。「若小安」アカウントは外国文学を参考に作り上げた、虚偽の「風俗嬢接客日記」だと明かされた。
男性がウェブ上で女性として振る舞うことを俗に「ネカマ」というが、16万人のフォロワーを騙していた若小安アカウントは史上最大のネカマ事件ではないだろうか。
■「ネカマ」つぶやきに罰金
実際に売買春の事実はなかったのだから、「中の人」は無罪放免になりそうなものだが、そこはさすが中国。杭州市警察は「計算機情報ネットワーク国際接続安全保護管理弁法」に基づき、「社会管理秩序をかき乱し、社会に良からぬ影響を与えた」との名目で、罰金500元(約6000円)と行政警告の処分を下した。
ネットを中心に活躍する作家、社会活動家の温雲超氏はこの一件について、次のようにコメントしている。
中国で最もでたらめな現実は、31歳の男性が人気の風俗嬢マイクロブログを書いていたことではない。風俗嬢マイクロブログを書いただけで「社会管理秩序をかき乱し、社会に良からぬ影響を与えた」として警察に行政警告と罰金500元の処分を受けることにある。温雲超、2011年9月28日