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2011年09月29日
中国近代の知識人・康有為は皇帝に変わる新たな統一のシンボルとして、孔子をあがめる「孔教会」の設立を唱えた。結局、この構想が成就することはなかったのだが、21世紀になって猛烈な勢いで孔子様のバリューが上がっているのが面白いところ。中国共産党と社会主義が統合のシンボルたりえなくなった時、もう一度孔子の出番が来るかもしれない。
さて、中国各地の式典の中でも、ちょっと面白かったのが浙江省衢州市の孔子南宗家廟祭祀。孔子廟の親玉といえば、世界遺産にも指定されている山東省曲阜市の孔廟が思い浮かぶが、南にももう一つの拠点があった。その由来は約800年前、南に逃げた南宋の時代にさかのぼる。孔子の子孫は歴代王朝に貴族として遇されてきたが、曲阜と衢州、南北に分かれることになったという。日本の南北朝のようなものか(百度百科)。
南宋滅亡後、衢州の孔子廟が曲阜級の扱いを受けてきたとは思えないが、1996年に全国重点文物保護単位に指定され、日の目を見ることとなった。2004年からは毎年9月28日に大々的な式典を開くようになった。北の曲阜に追いつき追い越せで頑張っているようだ。
*写真は中国広播網の報道。他写真多数。