最近、中国をにぎわしていたのが河北省の刑務所から逃げ出した脱獄犯のニュースだ（レコードチャイナ）。すでに逮捕されたのでこれで一件落着かと思いきや、予想外の大ネタが待っていた。

脱獄したのは王振軽、43歳。今年1月、窃盗罪で懲役10年の刑を科された。この王という男、すでに43歳だが、20代の時には酒泉打ち上げセンターで5年間、特殊兵を務めた経歴を持つ。「元特殊兵の脱走劇」というだけでワクワクする展開だが、それだけではない。

なぜ脱獄したのかという動機だが、報道によると「獄中で妻の浮気を知り、姦夫姦婦を４つにするため」だったとか。さらに映画化ポイントがアップ。脱走方法だが、刑務所内では服作りや鳥かご作りの仕事を囚人にさせていたというが、その材料を盗んで手製のロープを作成。さらに老人服役者が多い東地区に狙いを定め、4つの関門を突破し、大壁をよじのぼって脱走したという。

警察は10万元（約120万円）の懸賞金をかけるなど大包囲網をしいたが、王はその努力をあざわらうかのようにことごとく突破し、闇へと消えていった。24日、故郷の河南省周口市鄲城県に戻っていた王だが、警察は王の親族からの通報を受け、どうにか逮捕することに成功した。

いやはや、映画化間違いなしの物語だが、逮捕で一件落着となったはずだが、とんだ落ちがついている。上記写真が逮捕時のものだが、当初、公開された写真は次のようなようなものだった。



全然、顔つきも体形も全然違う。それもそのはず、実はこの写真、別人の写真を合成して作られたものなのだ。


＊2010年に逮捕された臧天朔。今回のフォトショップ画像の素材となった1枚。

29日、写真改ざんネタがネットに広がり、「ニセの写真ではないか」「ひょっとして王はまだ捕まっていないのではないか」と大変な話題になった。警察はあわてて本当の写真を公開するというお粗末さ。なぜ改ざん写真が使われたのか、その理由については明らかにされていない。

服がはだけて半裸になっているのが、エロ規定にひっかかったわけでもないのだろうが……。

＊写真は東方早報の報道。他写真多数。