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「赤十字マークの場所では献血しない」21歳女子が生み出した信用危機―広東省

2011年10月02日

2011年9月30日、南方都市報は広東省深圳市の輸血用血液が払底しつつあると報じた。特にO型の不足が深刻で、10月1日以降は病院に提供できない状態だという。

中国の「血荒」(血液不足)は毎年のこと。長期休暇で学生がいない、寒くなったり雨が続くと献血ステーションに人が来てくれなくなるといった理由で、血液が不足するという。また地域を越えて血液を融通しあうシステムが欠けているのも背景となっているように思う。
(参考記事:献血が足りなくて手術ができない!中国各地に「血荒」が出現するわけ

ただ、今年の血荒はちょっと特殊な要因がからんでいる。たった一人の若い女性が引き起こした騒ぎが深圳市、そして中国各地の血液不足の引き金となっている。その女性とは郭美美。本サイトでも何度か扱ってきたが、「中国赤十字会商業総経理」の肩書きでマイクロブログアカウントを持ち、セレブすぎる生活を披露。赤十字って義援金を横領しているだろ!と大騒ぎになった。


献血 in 大須万松寺 献血ルーム / Kanesue



以来、慈善団体、とりわけ赤十字に対する信用が暴落。ささいな問題まで取り上げられ、叩かされるという騒ぎが続いている。今年7月には著名大学教授の郎咸平氏が、「赤十字ってタダで献血させて、その血を売ってぼろもうけしているじゃん。ひどくね?」と指摘したことも影響しているのか、赤十字マークがついている献血ステーション、採血車には人が集まらないという事態に。
(関連記事:中国赤十字の三大腐敗=著名研究者の批判に反論―政治学で読む中国

深圳市では仕方なく、採血ステーションから赤十字マークを取り外すという苦肉の策に。献血の運営自体にも赤十字はノータッチで、宣伝パンフの作成だけ請け負っていると説明している。

郭美美さんお一人の責任というと言い過ぎだが、しかし21歳のギャルによる「つぶやき」だけで中国赤十字の信用が地に落ちたというのはなんとも驚くべき事態。深圳市以外でも血液不足は伝えられており、「脱赤十字化」の動きは広がっていく可能性もありそうだ。もっとも赤十字の代わりにどんなマークを作ればいいのか、さっぱり想像もできないが。


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 コメント一覧 (2)

    • 1. アレックス
    • 2011年10月03日 01:05
    • 赤新月や赤水晶にしてしまえば、わかる人以外にはわからないのではないかと(苦笑)。
    • 2. Chinanews
    • 2011年10月03日 16:03
    • >アレックスさん
      それはやばいw

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