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国際海洋法裁判所トップに日本人が就任=「中国ピンチ」とミスリード誘う中国メディア報道

2011年10月04日

2011年10月1日、日本人の柳井俊司氏が国際海洋法裁判所裁判長に選出された。

国際海洋法裁判所長に柳井俊二・元駐米大使
読売新聞、2011年10月2日
国際海洋法裁判所(独ハンブルク)は1日、同裁判所裁判官の柳井俊二氏(74)を新所長に選出した。任期は2014年まで。柳井氏は05年から同裁判所で日本人として2人目の裁判官を務めており、日本人裁判官が所長を務めるのは初めて。

尖閣問題を抱える中国ではメディアが大々的に報道しているが、なぜか「韓国が強く反発」と、他国をだしにして批判している。


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中国広播網は4日、記事「日本裁判官が国際海洋法裁判所裁判長に当選=韓国などの国の強い憂慮をまねいた」を掲載した。曰く、「韓国が竹島問題解決を国際海洋法廷にゆだねようとしない原因の一つとして、柳井裁判官(当時)の存在があった」とのこと。

国際海洋法裁判所には21人の裁判官がいるが、当事国出身の裁判官も審議にかかわるため、国益に配慮した判断をするのではないかと示唆している。裁判長当選で韓国がどういう反応をしているのかを一切とりあげずに「強い憂慮をまねいた」とか書き立てる不思議な記事となっている。

なお評論家の叶海林氏は次のようにコメント。

日本と領有権紛争を抱えている国はどこも国際法廷での解決を望んでいない。当事国の同意がなければ国際法廷に持ち込まれることはない。だから問題はゼロ。

それから国際海洋法裁判所は領海の裁定はするけど、領土の主権、例えば島の領有権がどちらの国にあるかは裁定しない。だからこの点でも関係ない。

だったらますます韓国が騒ぐ理由はないような気がするのだが。なんとも不思議な記事である。中まで読めばちゃんと分かる内容だが、ぱっと見だけだと、「尖閣がピンチ」と誤解させかねない書き方だ。ちなみに環球網は「中国、ロシア、韓国の懸念をまねきかねないと日本メディア」というタイトルで報道。

「それ、どこの日本メディアよ?!」と不思議に思ってみたら、中国語で日本情報を配信する日本新聞網の報道であった。しかも元記事見たら「日本人が裁判長になったら海上当初の権益争いに影響しないだろうか?」という疑問系で書かれているし。まあ、盛り上げ報道で知られる環球網は期待にたがわず煽り記事だった。「日本は外交力を生かして、尖閣争いで手を打って来やがった。中国ピンチ、中国ピンチ」と中国愛国分子が盛り上がれるネタを提供している。


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