中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年10月04日
改革開放をリードし、中国製造業の集積地となった珠江デルタ地域。それは同時に汚染先進地域でもあることをも示している。
石油化学工場・広州建滔(南沙)石化有限公司の排水溝付近を中国新聞網記者が取材したところ、海は黄色に変わっていたという。同じく汚染が深刻な深圳市近海では魚からは油の臭いがする。現地レストランでは「臭油魚」と読んでいる。
現地政府の環境保護部局は長年取り締まりを続けているが、汚水の垂れ流しは改善するどころか悪化する一方だ。環境対策をすればコストがかかる。一方で罰金額は安い。それならば垂れ流しを続けたほうが得だという状況なのだという。また、環境保護部局が調査に来る時だけ汚水の浄化装置を稼働させ、それ以外の時は無処理のまま垂れ流すといういたちごっこもざらにあることだとか。
こうして、海は汚れ、「臭油魚」やカキなどの汚染海産物が生み出されていく。これらの海産物は食べてもすぐに中毒になるケースは少ないと言うが、重金属などの物質は体内に蓄積され、慢性の病をもたらすことになるという。