■中国オタクと諸星大二郎作品について■今回はちょっと軽いメモのようなものを。
ありがたいことに、サイト「日本びいきの外人を見るとなんか和むスレのまとめ」で紹介されているコピペ話「
日本産だと気付かれない日本アニメ」に関しての質問も含めて、
「中国における諸星大二郎作品の反応について」の質問を幾つかいただいております。
「日本産だと気付かれない日本アニメ」
「日本のまんがは世界一だ!中国人のまんがは真似ばっかり。 世界最高の三国志のまんがが日本にあるのはとてもくやしい。(蒼天航路の事)でも、中国にだってオリジナリティーのあるすごい作家がいるんだよ!こういう世界は、日本人にはかけない!!」 と、息巻く留学生の宋君。 ビシ!と差し出したのは 諸怪志異 by諸星大二郎 ・・・の海賊版。 (後略)
メールでお返事をさせていただいたのですが、なぜかメールが届かない方が二人いらっしゃったので、ブログの方で簡単に書かせていただきます。
*1983年から各誌をまたぎ連載を続ける大長巨編『西遊妖猿伝』。第4回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞。
さて、諸星大二郎作品についてですが、やはりかなりマニアックな人間でないと知らないようです。とりあえず、私が調べてみた限りでは、
「栞と紙魚子の生首事件」、「栞と紙魚子と青い馬」、「私家版鳥類図譜」などは中国語版が存在するようです。
この辺については残念ながら私の方でもハッキリしません。コピペの方で挙がっている「諸怪志異」についても調べてみたのですが分かりませんでした。
中国では正規ルート以外にも海賊版ルートで日本の漫画が入っていくことが少なくないですし、大陸の方だけでなく香港や台湾でも中国語に翻訳された日本の漫画が出ていますから、他の作品についても中国語版が出ているかもしれません。
それから、中国のソッチ系の掲示板を探し回ってどうにか見つけることができた反応は以下のようなものでした。例によって私のイイカゲンな訳になります。
諸星大二郎作品って面白いと断言するのは難しい。それに内容に関して納得するのも難しい。ただ、何と言うか非常に引きつけられるものがある。
栞と紙魚子シリーズの胃の頭町なんて、登場人物も世界観もすべてが正常じゃないよな。いったいどうやればあんなものを創造できるんだろう。
*当記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の許可を得て転載したものです。
諸星大二郎の作品ってどれも独特の閉じられた世界というか、こっちが理解できないというか、自分が入ることのできない世界に思える。自分には入ることのできない扉の外にいて世界をのぞいているといった感じかな。
スゴイ作品なんだけど人気にならなさすぎるよな。その理由も想像できるが。もっと人気が出て、どんどん中国語版が出ないかとか思っているんだけど、まず無理だろうなぁ。
諸星大二郎の作品だと「西遊妖猿伝」と「太公望伝」が気になる。でも中国語版の出る望みは無いよね……。
私は「西遊妖猿伝」読んだよ。基本的には西遊記をアレンジした創作で間違いない。でも画力はスゴイし、作者の中国文化への理解は敬服せざるを得ないレベルだ。
現在中国語版が出ている数冊だけじゃ諸星大二郎のスゴさの全ては伝わらない。残念だ。
「世にも奇妙な物語」の冬の特別編で諸星大二郎作品を映像化しているが、あれより原作の方がいいね。漫画の方は独特で濃厚な作品なのに不思議と読んでいて疲れない。
とまぁ、こんな感じで。知っている人間は少ないものの、知っている人間からすれば独特な画風や世界観などはかなり気になるようですね。
それからコピペの方での勘違いにもある通り、諸星大二郎作品は確かに日本の漫画とは意識されにくいようです。
以前私が聞いた話では、諸星大二郎の独特な画風は中国の「連環画」(連環画とは絵本の一種で、中国漫画のプロトタイプとも言われています、
ウィキペディア)に似ているとも感じられるそうで、日本の漫画の系譜ではなく、中国の漫画(連環画)を発展させた系譜上にある作風にも見えるのだとか。
连环画 / feebyそれに加えて中国人以上に詳しく中華系の歴史故事や世界観を活用しているわけですから、予備知識なしで読んだ場合、中国の漫画と勘違いしてしまうこともあるのかもしれませんね。
あやふやな話ばかりで申し訳ありませんが、とりあえずこんな所で。今回はイマイチ分からないことが多かったので、いつにも増してツッコミ&情報提供お待ちしております。
*当記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の許可を得て転載したものです。