中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年10月07日
各保育園で組ごとに日本のPTAのような委員会(родительский
комитет)があって、お金をいくら集め、何を買って、何をいつ修理するか決めています。「今年は冬に向けて、保育園の窓ガラスを全部新しくした」と、ママ友の一人は言っていました(古い窓は隙間風がひどかったそうです)。
■保育園の修繕費、設備費は全額親負担
費用は全額親負担です。業者選定も「現場監督」もすべて父兄たちが行っています。小さな椅子やテーブルやカーテンなどを購入したりもしています。そし
て、ロシアではお正月や3月8日(国際婦人デー)に組み単位で保育士さんにプレゼントを贈る習慣がありますので、国立保育園に通っている間、月謝以外に常に何らかの援助金が求められるそうです。
いっそうのこと、月謝をもうちょっと高く設定し、いちいちお金を集めるのをやめた方がよさそうですけれども……親としてはお金の使い道がはっきり見える今の「制度」の方がいいという意見もあります。
それにしても正式な月謝以外に親が保育園に一体いくらお金をつぎ込んでいるのだろうか?気になりますけれども、金額は保育園によって違うだろうし、正式なデータはないと思います。
■裏金を求める国立保育園も
ちなみに、入園の条件として、裏で寄付金などを求める国立保育園もあります。「保育園の外側の壁がボロボロ。業者を雇って直してくれたら、お子さんを入園
させます」と、私のママ友の一人がこういう条件を提示されました。結局彼女はコネを使って娘を別の保育園に入園させました。しかし、私の周りには一人だけ
ですが、正式なルートで入園した人もいますので、必ずしもコネや寄付金が求められるとは限らないようです。
日本の公立保育園でも父兄が色々活動をすることになっていました。園庭の草むしりをしたり、交通当番をしたりしました。しかし、月謝以外でお金を出すのは
確か年間3000円程度で、その中にクリスマスプレゼントや夏祭りなどのイベントの景品の代金が含まれていたと記憶しています。
■日本は「ソフト面」、ロシアは「ハード面」
私の経験から言うと、日本の公立保育園では父兄の協力は保育園の行事が中心で、いわば「ソフト面」にかかわるものだったのですが、ロシアでは修繕や家具のように「ハード面」が中心です。
そういう違いはあるものの、結局どちらの国の保育園入園でも、親としてはそれなりの心構えが要るようです。
*当記事はブログ「ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。