中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年10月07日
(1)一人っ子同士が結婚すると4人の老人の面倒を2人で見なくてならないことになるので、以前のような伝統意識を持つ者は減っており、老人ホームに自ら入るものが増えた。 中国では悪い面ばかりではなく、良い面を取り上げる記事が多いのです。もちろん社会の良い面を描けという共産党政権の意向も働いているのは言うまでもありませんが、それにしても日本とは見事な対称になっているのはなかなか面白いのではないでしょうか。
■2.中国における老人ホーム
さて長い前書きとなってしまいましたが、北方網に「重阳节探访天津养老院:三大变化让老人感叹」(重陽節に天津の老人ホームを訪問=老人を感嘆させた三つの変化)という重陽節にちなんだ記事が掲載されていたので、ご紹介します。
一言でまとめると、子どもたちと共に暮らすことが最も幸せだという伝統的観念が変化しつつあり、最近では子どもたちに対する依存心を減らし、老人たちだけで楽しく生きている人が増えたという内容です。
2人の例が挙がっていたのですが、1人は自分で農作業をして自分で作ったものを食べるようになったところ、食事量が増えるほど元気になったという話。もう1例は体が悪くてずっと娘に介護してもらっていたが、老人ホームのショートステイで面倒を見てもらえるようになったので娘も助かっているという話です。
■老人を変えた三大変化
一応三大変化について言及しておくと以下のとおりです。
(2)豊かになるにつれ、「要求が高い、民度が高い、文化程度が高い、収入が高い」という四高と呼ばれる現象が見られるようになった。
(3)老人ホーム内でも、イベントで輝く「老人スター」が登場するなど、老人たちも自分の生活を持つようになってきた。
日本では社会面の記事といえば、良いことや明るいことに焦点を当てないことが多いように思います。例えば「敬老の日」関連だと、独居老人や孤独死という話題ばかりではないでしょうか。
*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。