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ロシア政府、1年前の中国人スパイ逮捕を突然公表=その狙いとは?

2011年10月07日

2011年10月5日、ロシア連邦保安庁(FSB)は、中国人スパイの拘束を発表した。ロシアの地対空ミサイル「S300」の技術やメンテナンスに関する文書を入手しようとした容疑だが、拘束されたのは昨年10月下旬のこと。間もなくプーチン首相が訪中するというタイミングでの発表はさまざまな憶測を呼んでいる。6日付VOA5日付ドイチェ・ヴェレを主に参照した。

逮捕された童盛杨(音訳)は中国の公的代表団通訳という身分でロシアに入国。ロシア関係者にわいろを渡し、S-300関連の技術、メンテナンスに関する資料を購入しようとして、昨年10月28日に逮捕されている。ただし、逮捕の情報はこれまで一切発表されることはなかった。10月11日のプーチン首相訪中を目前としての突然の発表の狙いは何なのか?

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1・中国に恩を売るよ説
ドイチェ・ヴェレにコメントしたロシア戦略評価研究所のAlexander Konovalov氏は、「プーチンが北京で恩赦を発表。友好を示すセレモニーに使われるんじゃね?」との大胆な予測。殴った後に薬をプレゼントするような不思議な外交だが、本当にありうるのか?

2・天然ガス価格交渉を有利に進めるよ説
「中露間ではロシア産天然ガスを中国に供給する価格交渉が難航しており、発表は交渉を有利に進める狙いもありそうだ」(毎日新聞)。

3・中国の兵器パクリは許せないよ説
VOAの説。S-300(ウィキペディア)は1980年代に部隊配備が始まった旧式装備だが、中国の地対空ミサイル「紅旗-9」よりは性能が上とのこと。中国はロシアからS-300を購入する一方で、途上国に安い「紅旗-9」を売っている。スパイにより性能向上販売促進が狙えるとの指摘だ。

ロシアにとって中国は兵器お買い上げのお得意様であると同時に、コピー兵器を途上国に売りまくるムカつくライバルでもある。ロシア各紙は中国のパクリ行為は絶対に許さないと気炎を上げているという。プーチン訪中の議題に兵器パクリ問題も上るとするならば、この時期のスパイ逮捕公表もうなづける話だ。

ざっとメディアを見たところ、上記3つの説が出回っているもよう。プーチン訪中後にその答えが分かるのではないか。シンプルに3番が一番可能性が高そうだが、あまりにも面白すぎる1番の「恩赦するためだよ説」が実現して欲しいところだ。


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