中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年10月08日
中国では、タクシー業務を行うためには会社に所属することが義務づけられている。売り上げの多寡にかかわらず、会社に一定額の金を上納するシステムが一般的。運転手は上納金や燃料代、タクシー営業許可取得費用を自己負担。それらコストを売り上げから差し引いた金が収入となる。
しかし燃料費高騰が続くなか、かつての花形職業・タクシー運転手の収入は低下。生活難を訴える人が増えている。一部都市では渋滞緩和のため、バスや地下鉄などの公共交通機関に補助金を支給しているが、これもタクシー乗客数を減らす効果がある。ストライキなどの不満に直面した地方政府はタクシー料金引き上げで急場をしのぐことも多いが、これもまた乗客減につながってしまう。根本的な解決は上納金引き下げしかないと見る向きが多いが、タクシー会社は地元政府と結託しているケースが多く、政府はこの抜本策に手を付けることはほとんどない。
6日のアモイ・ストライキでは8000台以上のタクシーが運行を停止した。参加しない運転手には暴行したり、車を破壊したりとの制裁が加えられたという。ちなみにスト破りを許さないというのはきわめて一般的な慣例である。
タクシー運転手に同情する人も少なくないが、一方で批判的な声もあるとBBCは指摘する。アモイテレビのある記者はマイクロブログで「もし車賊の要求を聞けば損失を被るのは我々一般市民だ」と書き込み。他にも「アモイのタクシーはサービスが悪すぎる」との声も上がっているという。