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約1割のプールで尿素濃度超過=循環濾過器は使わないという節約術―中国

2011年10月09日

中国プールネタというと、芋を洗うような大混雑というのが定番ネタ。ただよく考えてみると、それだけの人が使った汚れというものがあるわけで……。その実態や、いかに?ということを教えてくれる記事があった。

2011年10月8日、中国衛生部弁公庁は、2011年プール水質衛生監督サンプル検査報告を発表した。9日、京華時報電子版が伝えた。今年6~8月にかけ、中国衛生部は24省・市、5639個所のプールを検査した。検査項目は、細菌総数、大腸筋群、尿素、混濁度などがある。

尿素検査合格率90.8%、足洗い槽塩素濃度合格率87.3%、プール塩素濃度合格率83.7%の数値の低さが目立つ。プールの循環設備の未設置、規定通りの運用をしていないこと、プールへの水の補充が十分でないこと、消毒薬の投与が非合理的なこと、足洗槽の水を毎日取り替えていないことなどが原因だと中国衛生部は指摘している。


夏都泳池 / 沒格★meg.dai



この記事でやはり気になってしまうのが尿素だろう。京華時報も「全国のプール、約1割で尿素濃度が基準値超過」というタイトルをつけ、もっと合格率が低かった塩素濃度を差し置いて尿素を重視している。まあ、その気持ちは理解できる。尿素はほ乳類の尿や汗に含まれているもの。その尿素が基準値超過ってことは……ひょっとして水が少し黄色くないですかと嫌な気持ちになってしまう。

もっとも消毒用塩素には尿素を分解する能力があるらしい。塩素濃度が不合格なプールが多いことからもわかるとおり、消毒薬をけちっていることが原因のケースも多いだろう。まあ、私が中国に住んでいた時は、どぶのにおいがする緑色の水のプールで毎日泳いでいたので、尿素ぐらいでがたがた言っても仕方がないかもしれない。もうちょっと値段の高いプールだと、水がきれいだったがお金がなかった。あのプールはいまだにエメラルドの水をたたえているのだろうか。

また、「プールの循環設備の未設置、規定通りの運用をしていない」という指摘も興味深い。中国では工場に排水・排気浄化設備をつけても「動かしたら金がかかる」との理由で使わない事例が少なくない。お役所の人が来た時だけ、アリバイ的に動作させるのだ。工場だけではなく、プールでも同じことをやっているのだなと興味深く読んだ。


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