中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年10月11日
私たちの会社に一時期よく出入りしていた別の会社の運転手。「今日はこういうふうに物をつめろ」とか「今日はこれじゃだめ」だとか……私たちの日本人の上司に対してなぜかいばりまくり。
「ロシア語で言われてもわからん」と上司が何回も身振り素振りで訴えてもまったくだめ。結局私を通じて叱っても効果はゼロ。もう笑うしかなかったです。(でも、その運転手が来なくなったとき、上司はしばらくちょっと物足りなさそうな感じでした。)
たまたま上の例は二つとも運転手のケースですが、いばっているのは必ずしも運転手というわけではないです。
冬にパパと一緒に電車のチケットを買いに行ったときのこと。窓口の待ち時間が長かったのでパパは自動販売機でコーヒーを買って、車の中で待っていた運転手に持って行きました。冬だったので寒いだろうという考えでした。しかし、建物に戻ってくるなり、「何回も出入りするんじゃない」と掃除のおばちゃんに怒鳴られました。
冬は床があっという間に汚れるのはよくわかりますけれども、客に対してはこの言い方はないだろうと思います。
ロシア人はこのようなケースについて「どこへ行っても一番偉そうにしているのは掃除のおばちゃんだからね」と半分あきらめモードです。
前から思ったのですが、日本人たちは自分の立場を強く意識して人と接していると思います。だから、日本人の運転手なら事務所のスタッフにああしろこうしろという指示を出したりせず、会社組織の中の自分の「位置」を考えその位置に見合った振る舞いをします。一方、ロシア人にはそういう感覚は非常に薄いと思います。
必ずしも「ロシア流」ではダメと言うつもりはないです。ロシア人は、自分の立場を特に気にせずにフランクに話をし、相手のことを肩書きなどではなく一人の個人として見てくれるので、コミュニケーションとしてはその方が楽しいと思います。しかし、上記のような弊害があることも確かです。
面接で見ている限り新しい運転手は感じがよさそうなので、これからは車に乗るときストレスを感じなくて済みそうです。
*当記事はブログ「ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。