中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年10月11日
■バンコク北隣パトゥンタニ県で浸水被害拡大
一方、バンコク北隣のパトゥンタニ県では浸水被害が拡大。河川の防波堤が決壊したことから中心市街地まで水が流れ込み、バンコク都内への自動車両などの避難が行われています。
*ポストトゥデーの報道。
■都心被害まぬがれぬ模様、一部地域ではすでに冠水
心配されるバンコクへの被害拡大ですが、北部からの水流南下と、バンコク湾の大潮が重なる15~18日の浸水被害は避けられない見通しで、チャオプラヤー川流域での土嚢積み上げ作業や、地下鉄の防水作業等が急ピッチで進められています。
報道によるとすでにミンブリ他数区では浸水被害が見られており、ミンブリに居住する私の友人の自宅などは既に40cmほど冠水している様です。
*マティチョンの報道。
■水害に便乗した空き巣、車上荒らしが横行
また前回記事でお伝えした通り、洪水に便乗した空き巣や車上荒らし等が横行しており、警察自体も被災している事から効果的な防犯対策を実施できていない状態です。
含めて、バンコク都庁が浸水を防ぐ為に設置した土嚢を近隣住民が盗み、自宅に設置するという行為が多発しており、都庁ではその様な行為がさらなる被害を拡大させるとして都民に土嚢を移動させない様にと呼びかけています。
*バンコクポストの報道。
関連リンク:
洪水被災地で車上荒らしが増加(バンコク週報、2011年10月11日)
■ミネラルウォーター工場が生産停止、飲料水不足の懸念も
都庁では冠水エリア・冠水予測エリアでの自家用車の浸水を防ぐ為に、都内のショッピングセンターや空港などの駐車場を無料で解放しています。これは私の個人的な情報ですが、私がミネラルウォーターをいつも頼んでいる業者さんから買いだめを指示されました。
買いだめが良いかどうかは別として、現在ミネラルウォーターを製造している工場が浸水し、地下水が泥水を含む衛生的な水で無くなってしまった事から、向こう2ヶ月ほど操業を停止する可能性がある様です。個人的にはそこまで心配はしていませんが、必要量だけは確保しておいた方が良いかもしれません。
*デイリーニュースの報道。
■インラック首相、就任早々最大のピンチ?
洪水対策のために急遽外遊を取りやめたインラック首相ですが、世論調査によると被災地域住民の約80%が政府の対策に不満を抱いており、バンコクが浸水する事があればこの不満が一層高まる事が予測されます。
*サイアムラットの報道。
昨日10日、タイ政府では以前お伝えした船のスクリューによって河川の排水を促進するという方法を大規模に始めましたが、効果はあまり期待できないかもしれません。
(関連記事:「「船の推進力で川の流れを加速」2011年)
*マティチョンの報道。
前回記事:
首相「バンコクの洪水は防ぐことができない」=12日以降、大量の水が流入か―タイ・ニュース(2011年10月10日)
関連リンク:
洪水、首都に拡大の恐れ=邦人居住区も「要警戒」―タイ (asahi.com、2011年10月11日)
タイ洪水被害に3000万円支援物資送る (共同・nikkansports.com、2011年10月11日)
タイ、過去50年で最悪の洪水…日系工場も水没 : 国際 (読売新聞、2011年10月11日)
*当記事はブログ「バンコクでコンサルティング」の許可を得て転載したものです。