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2011年10月14日
南昊科技公司の「サイバー民兵」組織は、中国全土のIT企業、大学に設立された数千の組織の一つに過ぎない。これらの組織は中国のインターネット戦力の根幹をなしていると記事は指摘する。中国政府、またはその支持者によって中性子爆弾設計図などの機密情報が盗まれたと米国は指弾している。またグーグルなど米IT企業へのサイバー攻撃は山東の専門学校や上海交通大学を発信源としていたと見られており、あるいは「サイバー民兵」が攻撃を担った可能性を記事は示唆している。
「中国もまたサイバー攻撃の被害国だ」と中国政府は繰り返し表明しているが、人民解放軍は1999年から電子戦の必要性を主張、2002年からは実際に人材の募集を始めている。また中国人民解放軍軍事科学院機関紙に掲載された論文は、ネットワーク部隊の任務は「敵対サイトの資料の奪取、改編、削除」と定義し、敵対サイトを混乱させ麻痺させることが目的だと結論づけている。
他にも興味深い「人材育成」の動きがある。2005年、成都軍管区主催のサイバー攻撃コンテストで優勝したTang Zuoqi氏は現在、貴州大学で研究職についている。軍は大学における情報戦の研究をサポートしている。ただし、人民解放軍は「サイバー民兵」との関係を隠蔽しようと画策しており、そのつながりを証明することは困難だという。
また軍に限らず、中国では民間のハッキングも流行していると記事は指摘する。若いハッカーたちはネットを通じして交流しているほか、オフラインのクラスも存在する。路上にはハッカー学校の広告すらあるという。サイバー犯罪の専門家、北京師範大学教授のLiu Deliang氏は「中国では犯罪目的のためのハッキングが成長し、より組織的かつ専門的になっている」と話した。