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出稼ぎ労働者子弟の小学校が突然の廃校=公立学校が受け入れも教師が足りない―北京市

2011年10月15日

2011年10月14日、京華時報は、北京市公立学校が出稼ぎ農民など外来労働者(北京市に戸籍を持たない労働者)の子弟を差別的に扱っていると報じた。

北京市には43万人もの義務教育年齢の外来労働者子弟が存在している。その70%は公立学校に入学。残る10万人のうち5万人超は認可を受けた 外来人口向け学校に通い、4万人超は無認可の学校に通っていた。北京市には無認可の外来人口向け学校が114校もあったという(財経)。

ところが今年8月、北京市は突然、外来労働者子弟向けの学校24校の取りつぶしを敢行。計1万4000人の生徒が行き場を失い、公式学校が受け入れることになった。しかし、新学期の開始は9月。突然の生徒増に学校が対応できず、子どもたちに授業することすらままならない状況だという。


Primary School Show / Ingsoc



北京市海淀区の学府苑小学校。200人近い外来労働者子弟を受け入れた。もともと校舎ではなかった平屋建ての建物を突貫工事で改修し、1~5年生まで1つずつ教室を用意することはできた。だが教師がそろわない。現在、外来労働者子弟の子どもたちの授業は中国語と数学だけ。英語、道徳、美術などの授業は開講されていない。

無料で公立学校に通えると歓迎してた保護者も、この事態に焦りを見せている。教師の数が足りないのならば、取りつぶされた学校の教師を雇って欲しいと訴えたが、学校側が拒否。「教師採用にあたっては多くの条件がある」というのが言い分だ。

「あと1週間経っても改善しなければ学校を包囲する抗議運動を行う」と保護者側は怒りを露わにした。

また、問題はそれだけではないようだ。もともと生活圏が違い顔を合わせることが少なかった北京籍の子どもたちと外来労働者子弟の子どもたちが、一つの学校に集まった。ある外来労働者子弟は「向こうの子どもたちの服はきれいだ」と自分たちと「向こうの子どもたち」が違うことを痛感しているという。北京籍の子どもたちも新たにやってきた子どもたちを奇異の目で見ていると話した。

準備時間がほぼないまま敢行された外来労働者子弟向け学校の取りつぶしは多くの弊害を生んでいるようだ。


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