中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年10月16日
3:フィリピン
昨年8月、フィリピン・マニラで起きた事件。元警察官の男が香港人観光客25人が乗ったバスを乗っ取りました。警官隊の手際の悪い突入により、乗客8人が死亡する大惨事に。遺族はフィリピン当局に謝罪を求めており、メディアもたびたび取り上げている事件です。謝罪がないことにこだわるのが中国的と言いましょうか。この事件が2番目だと予想していたのですが。
(関連記事:「<フィリピンバスジャック>中国ネチズン怖い……ジャッキー・チェンのたわいもない「失言」をよってたかってバッシング」2010年8月27日)
4:フランス
今年5月、パリで中国人を狙った強盗事件が起きました。暴力を振るわれた被害者は意識不明の重体に。パリ在住華人は安全を求めて抗議活動を展開しました。写真はその様子です。また、昨年4月にルーマニアで中国人の経営する商店が撤去された事件、昨年5月にニューヨークで米国滞在2カ月目の中国人留学生が強姦された事件、モスクワやドイツにおける外国人排斥運動も一緒に紹介されています。
5:聖火ランナー
パリでの北京五輪聖火リレー中の事件です。チベット暴動への抗議として聖火リレーの妨害活動が各国で展開されましたが、写真は有る男性が女子車いすフェンシング選手の金晶さんから聖火を奪い取ろうとした一幕。金晶選手が身を挺して聖火を守ったとして話題になりました。事件をきっかけに中国ではフランスに対する抗議デモが起き、仏系スーパー・カルフールに対する不買運動も起きました。
事件を列挙する中にさらっとこの事件を入れてくるのがなんとも中国。
物事の多面性
「写真で見る、中国人が海外で遭遇した悲惨な出来事」というタイトルが与える印象とは違い、中国の政治的主張、モノの見方が色濃く反映された記事となりました。
チベット問題をきっかけとした聖火リレーの妨害にしても、中国にしてみれば少数民族の独立運動はどこでも起きていること、中国だけが批判されるいわれがないと主張しています。
(関連記事:「形を変えた暴力テロだ」中国政府、相次ぐ焼身抗議を激しく非難―チベット(tonbani)」2011年10月14日)
立場や視点でモノの見方が異なるのは当然のことではありますが、中国の方にも自分とは違った見方があるという想像力を持っていただきたいなと思いました。
*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。