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ンガバで今年8人目の焼身抗議者=警官に消化器で殴られ連れ去られる―チベット(tonbani)

2011年10月16日

■今日、またしてもンガバで一人の元僧侶が抗議の焼身自殺■

目撃者からの報告をダラムサラ・キルティ僧院僧侶カヤック・ツェリン等が伝えるところによれば、10月15日、現地時間午前11時50分頃、ンガバ市内中心街で19歳の元僧侶ノルブ・ダンドゥルがチベットの自由を訴えるために自らを灯明と化した。今年に入りこれで8人目である。

彼はンガバ県チュゼ郷ソルマ、ペマ家の息子。「チベットに自由と独立を!ダライ・ラマ法王のチベット帰還を!」とスローガンを叫んだ後、自らの身体にガソリンを掛け、火を放った。

20111016_tibet
*写真は2009年のもの。この時かれは僧侶であった。Tibet Timesより。


直ちに駆けつけた警官たちが水や消化剤を掛け、彼を殴り倒した後、すぐに小さな車に乗せどこかに連れ去った。目撃者によれば、彼は酷い火傷を負っていたが死んではいなかったという。

*当記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の許可を得て転載したものです。


彼は幼少時にンガバ・キルティ僧院で僧侶となり、2010年6月まで僧侶であったが、その後還俗し両親とともに暮らしていたという。

一人の目撃者の報告を以下に記す。

私は11時50分頃市内の大通りのそばにいた。この時街には沢山の人がいた。最初、後ろの方から「チベットには自由と独立が必要だ!ダライ・ラマ法王をチベットにお招きすべきだ!」という大きな叫び声が聞こえた。後ろを振り向くと、人が一人火に包まれていた。

彼はこちらに向かって走って来ていた。これを見て私は非常な恐怖を覚えた。あっちこっちに目をやっていた時間がどのくらいであったのか、彼がいつから火を付けたのかも分らなかった。彼の頭の毛や背中の服等が燃え上がり、地面に落ちるのが見えた。髪が長いのと、青っぽいズボンを吐いているのははっきり分った。

その後、警官たち駆け寄り、最初、左右から水を掛けたが火は消えず、彼は倒れることもなく、声を上げ続け、前の方に進んだ。前から殴られても倒れなかった。消化器を持った警官が2、3人、前から消化液を掛けたが倒れず、後ろから消化器で殴ってやっと倒した。

火を消し終るとすぐに近くに置いてあった、箱形の小さな車に乗せ運び去った。おそらく病院に連れて行ったと思われが、病院は少し離れたところにあるので、はっきりと病院に連れて行ったかどうかは分らない。

髪が長い俗人であったことだけは確かだが、顔見知りだったかどうかは分らない。私も気が動転していたし、顔も焼けただれていたので思い出してもよく分からない。

私は彼のすぐ近くにいたが顔はよく覚えていない。警官たちが彼を倒したと同時に大勢の人たちが集まった。しかし、3、4分の内に運び去られた。警官と軍隊が大勢集まり、チベット人も多かった。警官や軍隊は鉄の棍棒や銃を手に持ち、集まった人たちを追い払った。

すぐに街には大勢の警官と軍人が集結した。シェドゥンゾンカル(現場付近の地名)は閉鎖され出入りができなくなった。

参照:15日付けTibet Times

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*当記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の許可を得て転載したものです。


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