中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年10月21日
「資格審査とか一切なかったです(笑)」と呂さんが豪語するだけあって、ド素人軍団の作業は想像を絶するレベル。呂さんが担当した2号橋では、本当ならコンクリートで作る鉄道橋の基部を砕石、土砂で作るなど、手抜き工事を超えた手抜き工事、まさに究極の手抜き工事状態だったという。呂さんは「自分でも怖くて、列車には乗れないッスよ(笑)」と話している。
■ニセモノの下請け
これだけでも十分ありえない話だが、このニュースにはさらにおまけがある。資格審査ゼロで、ド素人孫請けに仕事を割り振った江西昌厦建設工程集団公司だが、今年9月、「うちはそんな工事受注してないです。うちのハンコ偽造されたみたいでして。ええ、工事を受注したのはウチの名前を騙るニセ会社なんです」との声明を発表している。
ド素人孫請け、ニセ子請けがそろうとは、親請けの責任はどうなるのか気になるところ。中国中鉄九局集団有限公司の趙鉄軍副局長は専門の調査チームを設立したと明かし、徹底的に調査すると約束した。また管理の不徹底については、この教訓から学び、今後同様の問題を防ぎたいとも話している。
白山市靖宇県・松江河間鉄道の建設には23億元(約276億円)が投じられたというが、超高額のお笑いネタしか残さないようだ。