■うちのパパは「誘拐犯」???■最近、ゆうきを教室に送るとき、パパは娘りな(2才)も一緒に連れて行くようになりました。先日たまたま送った帰りにスーパーに寄りましたけれども、それはちょっとした「事件」の始まりになってしまいました。少なくともこの後起こってしまったことをパパは一生忘れないと思います。
どういうわけか、りなはスーパーの入り口に留まってしまい、動こうとしなくなりました。買い物がまったくできない。仕方がないから、パパはりなを抱っこして外に出ました。りなは大泣き。そのままうちへ向かって歩いていると、後ろから知らないおばちゃんが付いてきました。
そして、
「失礼ですけど、これはあなたの子供ですか?」
とパパに聞くのです。
「そうですよ」とパパが答えると、
「じゃ、どうしてずっと泣いているんですか」とおばちゃんは引き下がりません。スーパーでぐずってしまったことをパパは片言のロシア語で一生懸命説明しようとしました。しかし、話せば話すほど裏目に出るらしくて、おばちゃんの目つきがますます疑い深くなっていきます……。
Сладкая парочка #2 / Sweet couple #2 / Tanya.K.
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「じゃ、今から妻に電話するから」とパパが携帯電話を出したら、おばちゃんはやっと離れていこうとしました。おばちゃんが離れたからパパは電話をしまい、りなの手をひっぱろうとする。しかし、りなは「ジャジャ(いやだ)」と逃げるからおばちゃんはまた振り返ってじっとパパを見つめる。
帰ってきたパパは疲れきっていて、とてもかわいそうでした。りなに散々泣かれたあげく誘拐犯だと疑われてしまい、踏んだり蹴ったりです。
*当記事はブログ「ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。
■治安が悪いロシアだけど……
ロシアは治安が悪くて、子供が行方不明になってしまうという恐ろしい事件も起こることがあります。そういう意味では一般の市民たちが目を光らせてくれることはありがたいんですけど……子供に泣かれるたびに誘拐犯呼ばわりをされると、親としてはかなわない。
■ロシア人に見えないパパ
パパが疑われた一番大きな理由は、どう見てもロシア人に見えないからだと思います。りなはパパに似ているはずなのですが、泣いていると顔がぐちゃぐちゃで何もわかりません。
以前ブログにも書いたのですが、ニジニ・ノヴゴドロドは出稼ぎウズベキスタン人が多くて、パパもよく間違えられます。怪しいアジア人が来て子供をさらっている。用心深いおばちゃんはそう思ったにちがいない。
(関連記事:「うちのパパは出稼ぎウズベキスタン人???」ロシア駐在日記、2010年5月19日)
そしてもう一つ、ロシア人から見て、パパの行動に「不自然」な点があったのではないかと私は思います。その場でりなを厳しく叱っていれば、「父親なんだな」と案外納得してもらえたのかもしれません。しかし、子供に怒れないうちのパパは、いつまでもりなをやさしくなだめるだけだから、おばちゃんにはその態度が他人行儀に見えたのだろう。
というわけでこの「事件」からの教訓です。
ロシアで「親らしく」見えるには、駄々っ子を厳しく叱るべし。
*当記事はブログ「ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。
国によっては他人が大惨事にあっても無視する国もあるんだから