• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

「対中国機のスクランブルが急増」日本発表に中国国防部が逆ギレ反論

2011年10月27日

2011年10月26日、中国国防部は10月の定例記者会見を開催した。席上、楊宇軍報道官のオモシロ発言があったので、ご紹介したい。

10月13日、日本防衛省は今年4月から9月の航空自衛隊緊急発進(スクランブル)の統計を発表した(朝日新聞デジタル、有料登録)。合計で203回出動したが、対ロシア機が過半数を占める106回で最多となった。2位の対中国機は83回だが、前年上半期の24回、下半期の72回から増加が続いている。ただし、日本領空への侵入は確認されていない。

記者からはこの件について質問されたのだが、楊報道官はどのように返答したのだろうか?


F-15 Tsuiki 第304飛行隊 (航空自衛隊) / Miles 麥爾斯



我々も関連報道には注意していた。日本側の中国に対する批判は根拠がないものだ。中国軍機の飛行活動は国際法と慣習に則したものである。

事実はというと、近年、日本自衛隊の艦艇、航空機は東シナ海において中国に対する偵察を強化し続けている。統計によると、今年1~9月にかけ、中国近海を偵察した自衛隊機は前年同期比で44%増加した。日本の艦艇、航空機による頻繁な偵察は中国の安全と利益を損ね、中国の関連する軍事訓練活動を深刻に妨害し、中国側艦艇と航空機の安全に危害を加えるもの。中日の海と空の安全問題を引き起こす根源となっている。

この件について、我々は十分な証拠を持っている。私たちは、日本側が責任ある態度で有効な措置をとり、海と空の事故、不測の事件の発生を回避し防止することを希望する。

言われたことにむかついたので、「そのまんま主張を逆にして言い返してみた」という感じだろうか。逆ギレにしか思えないが、まあ、中国国防部的には最近、ムカつく話ばかりなので、キレても仕方がないと同情する部分もある。

米国が「アジアへの帰還」を始めプレゼンスを高めてきたわ、米軍とフィリピンが合同演習するわ、「軍人首相」野田政権は南シナ海問題に首を突っ込むそぶりを見せているわ、フィリピン巡視艇が南シナ海で中国漁船を拿捕するわ……。

記者会見は、これらの案件について楊報道官がばっさばっさと切りまくるという展開となった。そんなに忙しいのならば、日本のスクランブル報道にまでわざわざ反応しなくてもいいのではとも思うが、周りがごたごたしてきた今、とりあえず一番叩きやすい日本をぶったたいておくかという機運が盛り上がっているようにも感じる。この点については、稿を改めて解説したい。



トップページへ

コメント欄を開く

ページのトップへ