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【写真】炎上するバス、横転した車……衣料品業者の暴動=謎の税金「子供服税」が発端に―浙江省

2011年10月28日

2011年10月26日、27日の2日間、浙江省湖州市呉興区績里鎮で、子供服業者による暴動が起きた。約600人が参加。パトカーをひっくり返し、付近の乗用車を破壊するなどの騒ぎとなった。首謀者など28人が拘束されたことで、いったんは騒ぎは収まったもようだ。28日からは中国メディアも報道を始めているが、「子供服税」という謎の税金が業者の不満を招いたものとみられる。南方都市報を主に参照した。

績里鎮は中国でも有名な子供服生産地。30万人の人口のうち、約20万人は外部から集まった出稼ぎ労働者だ。5000以上もの工場が集まる。最もそのほとんどが中小零細企業だろう。ミシンと働き手だけあれば、「工場」の一丁あがりである。

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「零細工場からも、がっつり税金をいただく方法はないかしら……」という現地政府の思いから創設されたのが、謎の税金「子供服税」だという。2010年には、ミシン1台につき343元(約4110円)、労働者1人につき衛生費名目で40元(約480円)を徴収していた。今年はミシン1台の課税額が620元(約7440円)に値上げされるとの噂が広がり、業者の不満を招いていた。


26日、「子供服税」の支払いを拒んでいた業者のもとを現地政府納税部局が訪れ、口論が発生。あっという間に野次馬軍団が集結、その数は600人に達したという。うち100人弱が付近の国道を封鎖して抗議しようとの動きを見せたことから、警察が出動する騒ぎとなった。口論となった業者は安徽省出身。「安徽省の人々は団結せよ」とのスローガンが聞かれたとの話もあり、今年の広東省の暴動同様、安徽省の地縁を軸として業者軍団が結成された可能性が高い。

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ひとたび燃え上がった業者軍団の怒りは簡単にはおさまらなかった。26日夜、暴徒と化した業者軍団は街に繰り出し、通りかかった高級車を襲った。高級車は脱出する過程で9人をひいた。うち2人が重傷を負ったという。警察が出動し暴徒を解散させたが、業者軍団は不規則に集結を繰り返し、鎮政府を取り囲むなど、27日夜まで暴れ続けたという。



さて、ひとたびは騒ぎがおさまったとはいえ、問題がすべて解決したわけではない。「子供服税」という謎の税金があること、その金額が大幅に引き上げられることが問題の根本となっている。全国に知られる大事件となっただけに、現地政府も税金の取り消しや軽減といった譲歩でなだめようとするのではないか。

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*写真は中国ジャスミン革命の報道。他写真多数。


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