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優秀生徒に送られた「赤いジャージ」=不動産会社の広告入りで問題に(凜)

2011年10月30日

■制服に不動産会社の広告が■

新華網の記事「包頭24中の赤ジャージ、中止を命じられる」が面白かったので、ご紹介します。


■不動産会社の広告


内モンゴル自治区包頭市の第24中学の「事件」をとりあげた記事です。二年生、三年生の優秀学生50人に配られた赤い制服(といってもジャージですが)に「翔鋭不動産」と不動産会社の広告が入っていたことが話題となりました。
(関連記事:「ジャージ、ジャージ、ジャージ!ダサすぎ制服はもうイヤ!日本がうらやましい~~~―中国」2011年2月10日)


20111029_制服_中国_ジャージ_1
*実際に学生が着ているところ。新華網の報道。


*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきも」の許可を得て転載したものです。


中国では赤は結婚式でも使われるおめでたい色。さらに共産党の象徴、中国国旗の色という意味もあります。そのため優秀な学生を表彰する時に赤い何かが使われることが多いようです。
(関連記事:「紅いスカーフと緑色のスカーフ」政治学に関係するものらしきもの、2011年10月19日)

このジャージを着た生徒を見かけた人が写真を撮影し事情を調べて、マイクロブログで公開。話題になってマスメディアまで動いてしまったという状況です。


■教師節の贈り物


学校の説明によると、このジャージは9月10日の教師節(教師の地位向上等を目的に1985年に制定されたもので、教師への感謝の意を示す日)に優秀な学生に贈られたものです。不動産会社「翔鋭不動産」が寄付したものです。教師には生活用品、学生にはジャージが寄付されました。

20111029_制服_中国_ジャージ_2
*回収される運動服。新華網の報道。


なぜ不動産会社がジャージを学校に寄付するのだ、とハテナマークが頭に浮かんだ方も多いかも知れませんが、中国ではあり得る話です。というのは教師節に父兄が教師に贈り物をする風習はごくごく一般的で、学校に寄付された場合にはその一部を教師に還元することもよくあることです。

今回は先生と生徒にどうぞという話ですから、学校も深く考えることなく生徒に配ったのでしょう。不動産会社が会社名を入れるというセコいことをしなければ騒ぎにならなかったはずだと学校間関係者はむかついているかもしれません。

先日取り上げた「赤いスカーフと緑のスカーフ」問題がかなり話題になっているため、目を付けられたという事情もあり、その意味でも同情してしまうところがあります。
(関連記事:「紅いスカーフと緑色のスカーフ」政治学に関係するものらしきもの、2011年10月19日)


■可哀想な会社

一方、会社としてみても、寄付品にはスポンサー名を入れるのが普通のこと。別段変なことをしたつもりはなかったのでしょう。結局のところ、わずかなすれ違いが生んだ「喜劇」だったということでしょう。

この不動産会社の名前も広く知られてしまったわけですが、別に犯罪をやらかしたわけでもないのに、会社の名前をでかでかと報じてしまうのが中国の凄いところではないでしょうか。しかも地方メディアではなく、天下の官制メディア『新華網』が取り上げてしまったわけで、中国全土、さらには海外にまで報じられてしまったわけで、会社としてはたまったものではだろうと同情してしまいます。

*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきも」の許可を得て転載したものです。


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